8月7日に日本IBM本社で開催されたブロガー会議「メインフレームの未来は明るい」に参加しました。
6月28日(金)、このオフィスを後にして、1ヶ月半ぶりの日本IBMオフィスです。
まず、在職中に毎朝立ち寄っていたタリーズで軽く腹ごしらえ。
考えてみたら、「外の人」としてIBMオフィスに来るのは1983年の就職活動以来です。
ブロガー会議では、日本IBMの広報、宣伝、STG事業などのよく知っている方々が準備されていました。お疲れ様です。考えてみたら、6月までは自分はあちら側にいたのですよね。(写真は日本IBMの方がFacebookにアップしたものを使わせていただきました)
ブロガー会議の内容は、先月発表されたSystem zの新モデルの紹介です。
System zと言っても、IT業界におられない方はご存じないかもしれません。
「メインフレーム」と呼ばれる大型コンピューターのことです。
ということで、ブロガー会議のタイトルも「メインフレームの未来は明るい」。
私が1984年に日本IBMに入社した頃、IBMは売上の大部分をこのメインフレームで稼いでいました。
このメインフレームの祖先は、1964年に生まれた「システム/360」です。
当時、IBMが巨費を投じて開発したこのシステム/360は、空前の大ヒットになりました。
私が入社した1984年は、その誕生から20年後。
1984年頃のメインフレームは、メインフレーム最上位機種は50 MIPSのモデル3084-Q、ディスクは容量3Gバイトのモデル3380が最新機種でした。チャネル転送速度は3Mbps。最新OSはMVS/XAで、31ビットアドレッシング (2G)。
このスペックで、銀行の取引とか、製造業の製造ライン、流通業の受発注業務といった、大企業のIT基幹システムを支えていたのですよね。
IBMは、1964年のシステム/360誕生から実に約50年間、このメインフレームの世界で、トップシェア・ベンダーとして世の中を支え続けています。
これは考えてみたら凄いことですね。
私が入社した30年前のメインフレームは1台数億円でした。
しかし最新型System zの最小モデルの値段はものすごく安くなっています。
なんと最小構成で790万円。これはレンタル費用でなく、買い取り価格です。
そのモデルがこれ。(デモ用にスケルトンモデルになっています。実際には中身は透けていません)
30年前のゴテゴテした内部と比べると、とってもシンプルな作りですが、これで99.9….%というレベルの抜群の信頼性を持っているのですね。
このSystem z、30年前のメインフレームと違って、従来型の銀行取引やバッチ処理といった業務だけでなく、Linux等のプラットホーム上で、ビッグデータ、クラウド、モバイルなどの最新業務にも対応しています。
このような業務を、IBMでは「ニュートランザクション(新しいタイプの業務)」と読んでいるそうです。
これらのニュートランザクションを、従来型の他社IAサーバーやUNIXサーバーでなく、System z上で動かすと何がよいのでしょうか?
他社サーバーだと数十台や数百台のサーバーを個別に管理しなければならないのに対して、System zだと1台で済ませることができるそうです。(「仮想化」とか「サーバー統合」という技術を使います)
数百台のサーバー管理は、設置コスト、管理担当者の労力などを考えると、とても大変です。これを1台で済ませるためにSystem zを導入する企業も多いそうです。
さらに信頼性も抜群に上がるわけですね。
IBMの方(実は元同僚)にお話しを伺ったところ、米国ではSystem z上で動いている業務の半分以上が既にこの「ニュートランザクション」になっているそうです。
日本ではまだそこまで進んでいないとか。是非、進めて欲しいところです。
ブロガー会議のあとは、久しぶりに再会したオルタナブロガーの皆様と、IBM箱崎本社近くの飲み屋で飲み会でした。
今年から日本IBMの広報部長に就任された玉川さんもご参加です。
新・広報部長の玉川さんは、ブロガー会議でもディスカッションを自らリードなさっていました。
戦う広報部長、素晴らしいですね。ますますのご活躍を。
30年間勤めた古巣のIBMを、外から見る、という貴重な体験でしたが、「やはりIBMは凄いなぁ」と改めて思った一日でした。
永井さん、ありがとうございました!
玉川さん、広報部長としての初ブロガー会議、大成功でしたね。お疲れ様でした。