韓国語版の「100円のコーラを1000円で売る方法」3部作が揃い、これでアジアで出版した本は合計6冊に。


韓国語版「100円のコーラを1000円で売る方法3」が届きました。これで韓国語版のコーラ3部作がすべて揃いました。

アジア各国で出版されている私の本は、本書で合計6冊になりました。

20140603

左から、

■韓国版 100円のコーラを1000円で売る方法

■韓国版 100円のコーラを1000円で売る方法2

■韓国版 100円のコーラを1000円で売る方法3

■タイ版 100円のコーラを1000円で売る方法

■台湾版 100円のコーラを1000円で売る方法

■台湾版 残業3時間を朝30分で片づける仕事術

 

本書では、「イノベーションのジレンマ」の図も韓国語になっています。

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本書の冒頭で、韓国の読者の皆様へ向けて、原作者のメッセージを書きました。オリジナルの日本語は下記の通りです。

—(以下、日本語訳)—

「100円のコーラを1000円で売る方法3」の韓国版が出版され、大変嬉しく思います。

本書のテーマである「イノベーションのジレンマ」は、大きく成功し、成熟した多くの社会や組織が陥る罠でもあります。

たとえば、1960年代に「英国病」と言われた大英帝国。低迷の1980年代を過ごした米国。そして本書でも描いたように、1990年のバブル崩壊から「失われた20年」を過ごしている日本企業。これらはいずれも「イノベーションのジレンマ」に陥った結果です。

ビジネスパーソンであれば誰もが、真剣に顧客のことを考え、顧客の課題に応えるべく仕事をしています。しかしかつてイノベーションを実現して覇権を握り、大切な顧客のために真剣に仕事をしているうちに、いつの間にか革新性を失い、新たなイノベーターに覇権を譲ってしまう。それが「イノベーションのジレンマ」なのです。

「イノベーション」という英語は、日本語では1958年に日本政府が発行した「経済白書」において、「技術革新」と訳されました。当時のイノベーションは技術に由来するものが多く、これは適切な訳でした。しかしその後、イノベーションは多様化しています。現代では、イノベーションを「技術の革新である」と考えると、本質を見誤ってしまうのです。

クリステンセンも述べているように、本来のイノベーションは、「新しい顧客と市場を創造すること」なのです。

「イノベーションのジレンマ」から抜け出す解決策は何か?それは新たな顧客と市場を創造すること。そして新たな市場を創造できるような、新たな顧客の課題にチャレンジすることが必要です。

成熟化した社会にあっても、新たなニーズ、未充足のニーズは、私たちの現場にはまだまだあるはずです。そのことに気付くことが、私たちビジネスパーソンが、ビジネスを通じてイノベーションを起こし、よりよき社会を創り上げるための最初の第一歩なのでしょう。

本書が、韓国の読者の皆様にとって少しでもお役に立てば、こんなに嬉しいことははありません。

永井孝尚

—(以上、引用)—

 

翻訳は、こちらでもご紹介した林載徳(リムジャエドゥック)さん。SKハイニックスに勤務される現役ビジネスパーソンです。 

 

ご尽力いただいた皆様、ありがとうございました!