私は戦国武将の歴史小説が好きでよく読みます。
ということで、日本経済新聞夕刊に連載中の「天下家康伝」(火坂雅志著)も読んでいます。
7月25日(金)は、信長亡き後に争っていた秀吉と家康が和解する場面。
上洛した家康に対して、秀吉はこのように語ります。
—(以下、引用)—
「若いころ、食うや食わずの暮らしが長かったせいか、わしは多くの民が腹一杯、飯を食うことのできる世をめざしている。そのために、不得意ないくさも知恵のかぎりを絞って戦い、ここまでどうやら生き抜いてきた。わしがいま、唯一、心の底から恐れているのは、徳川どの。そなたじゃ」
—(以上、引用)—
秀吉は、大義を考えていない明智光秀や柴田勝家は恐れていませんでした。しかし自分と同じく常に大義を考えている家康は、心から恐れていたのです。
現代のビジネスパーソンや会社経営者の場合、大義は「世の中にどのような価値を提供するか?」になるでしょう。
会社の売上・利益、自分の給与・待遇だけでなく、「世の中に提供する価値」を常に考えているビジネスパーソンや会社経営者も、強いのです。
私は講演や研修で、「事業や製品で、どの顧客のどのような課題に、どのような価値を提供するか」を個人で考えたり、チームで議論するワークショップを行っています。
顧客中心に考えることでビジネスを成功させるためなのですが、本質的には、これも企業の大義を考え抜くことに他なりません。
激動する現代だからこそ、「大義」をしっかり考えたいものです。