私、1998年から2003年までCRMソリューションに関わっていた関係で、CRMには非常に思い入れがあります。
ということで、2007/9/11のITproの記事「【不思議の国アメリカ】“顧客監禁管理”システムの最高峰はカジノにあり」は、タイトルを見ただけで興味が沸き、一気に拝読いたしました。
記事では、本来は門外不出のカジノでのCRMの活用状況を紹介しています。
CRM (Customer Relationship Management)のキーワードであるRetentionを「監禁」と読み換えて、「顧客監禁管理」と名付けている辺りは、斬新な発想ですね。
ラスベガスの「顧客監禁管理」は、徹底してありとあらゆる情報(詳細は記事を見ていただくとして、例えば「スロットマシンのボタンを押すスピード」等も記録しているとか)を記録し、徹底して行動分析を行い、顧客の行動によってポイント倍率を変えたり、フリーギフトを変えたり、と効果的な施策を矢継ぎ早に打っているという点が、単なるポイントプログラムとは大きく異なる点とのこと。
キモは、できるだけカジノに長く滞在してもらうという点。理由は長く滞在すればするほど負ける可能性と負ける金額が多くなるからだそうです。
たしかに私も6年前、9/11の直後にラスベガスに行きましたが、勝っている途中で止めるのはなかなか大変でした。(「勝った」と言っても、5$の掛け金が11$になっただけですが)
妻がいないで一人でやっていたとしたら、多分負けるまでやっていたことでしょう。
そう言えば、早朝、人影まばらなラスベガスの道路を走っていると、質屋が結構目に付きました。…世話にはなりたくないものです。(^^;)
それはともかく、昔からカジノでは、ショーや食事の無料招待券、ホテルの部屋のアップグレード、リムジンサービス、景品等のロイヤリティプログラムが使ったお金に応じて与えられてきましたが、これはよりギャンブルに励むように人々を誘導するためのものだそうです。
以前は、何のロイヤリティプログラムを誰に提供するかという判断は「カジノホスト」という世話人が行っていたそうですが、現在はITで瞬時に判断して行っているとのこと。
確かに考えてみるとギャンブルは確率が支配する世界ですし、多くのパラメータを元に最適な収益を確保する上で、ITとは非常に相性がよいのでしょうね。恐らく心理学的な領域まで入って分析されているのではないでしょうか?
この記事は、現地にいて、そこそこの観察力があれば容易にかけます。
激賞するほどのものではないと私は感じています。
多田正行様、コメントを下さりありがとうございました。
ITproで執筆なさっているCRM Watchdog、時々拝読しております。先日も「不思議の国アメリカ」の別の記事を取り上げておられましたね。
私自身は、今回引用した上田様の記事を拝読し、ラスベガスのカジノにおける顧客データの活用については、我々が学ぶべき点は多いのではないかと感じましたので、紹介させていただきました。
今回の引用記事について、実際にCRMの実践や米国でのご経験が深い多田様の観点でご覧になると、さらに深いご洞察がおありなのではないかとお察しいたします。もし新たに記事で取り上げられることがありましたら、是非拝読させていただきたく思います。
ラスベガスのカジノ・マーケティングは、戦略転換が早く、興味深いです。
なぜかファミリー向けに転換して成功したかと思うと、さっさと止めてハイローラー向けのマーケティングの強化、かと思うとハイローラー向けでもないような高級レストランを誘致したりと不思議です。
顧客が飽きる前に転換しているのでしょうか。
記事のCRMデータ収集については、法令の関係もあるのではないでしょうか。確率通りに配当を出しているかなど。
ymikasaさん、
コメントありがとうございました。
色々な手を打ってみて、仮説検証を繰り返しているのかもしれませんね。