日本では昨年から人口減少期に入りましたが、実は日本の人口が減少するのは今回で4度目だそうです。
1月7日の日本経済新聞夕刊の記事「歴史に見る人口変動、鬼頭宏さんに聞く――減少期に文明は成熟、女性の役割大きく」では、過去の人口減少期に何が起こったのかを考察しています。
—(以下、引用)–
減った時期は縄文後半、鎌倉、江戸中・後期と現在。
……縄文中期から気温が下がり始め、落葉樹林の生産力が落ちる一方、西日本では照葉樹林が広がった。これが食料を減らし、人口を減少させる原因になったのです。縄文の人口はピーク時26万人でしたが、末期には8万人にまで減ったとみられています
……人口が減少する時代は文明が成熟する時期です。縄文後期は高度な狩猟採集社会でした。平安時代から鎌倉時代にかけて人口は減少に転じますが、平安時代は世界的に評価が高い『源氏物語』を生むなど国風文化が花開き、爛熟(らんじゅく)しました。江戸中・後期も町人文化が成熟した時代と言ってよいでしょう
…人口減少時代はハードの発展より、ソフトの充実に目が向けられる。コンクリートより人です。産業で言えば工業からサービス産業への転換。女性の役割が大きくなる社会です
…歴史を振り返ると、文明の成熟期は次の新しい文明システムの種をつくる時期でもありました。人口減少をその好機にすべきです
—(以上、引用)–
個人的には、バブル期の1990年からの20年間で、日本は随分と成熟したように思います。
20年前は、美味しいイタリアンレストランというと数が非常に限られていて、美味しい店に入るのにはいつも行列でした。(あの、「カ…」のつく店ですが、結構皆さんご存じですね)
でも今は、美味しいイタリアンレストランは日本に沢山あるように思います。
日本人シェフが欧州に修行に行ったおかげですね。
しかし人口減少は今年からが本番。
■高度な狩猟採集社会だった縄文後期
■『源氏物語』を生むなど国風文化が花開き爛熟した平安時代~鎌倉時代
■町人文化が成熟した江戸中・後期
さらにこれから日本が成熟していくとしたら、考え方によっては、その世界を生きることは、平安時代や江戸時代中期・後期を生きるのと同様、とても楽しいことなのかもしれません。