今年、グローバル化が進展した業界と企業


12月28日の日刊工業新聞で「広報部長が選ぶ2007わが社の三大ニュース」という記事が掲載されています。

主要企業において、社外にメッセージを発信する責任者である広報部長が、自社の三大ニュースを選ぶ、という企画です。

企業にとって、数多いニュースの中から3つに絞って選ぶのも大変ですが、見方を変えれば、それぞれの企業が、今年一年間何を行ってきて、どの達成指標を重視しているかを理解する目安でもあります。

ということで、この3大ニュースの中から「グローバル化」に関するものだけを拾ってみました。但し、「世界初」「世界最大・最小」等の項目は、本質は製品やサービスに関するものなので、除外しました。

このエントリーの最後にリストを掲載しますが、改めて眺めると、既にグローバル化が進展していて国際的にも競争力がある自動車業界以外でも、様々な業界がグローバル化が進展していることが分かります。

特に目立つのは、海外に自社で工場建設等の投資をする傾向が強い自動車業界に対して、それ以外の業界ではグローバルな提携・協業が多い点です。

一方で、この記事でニュースを寄せた企業のうち、グローバル化に関するニュースを3項目中を最低1つでも挙げた企業は全体37社中14社で、4割以下でした。

日本企業の本格的なグローバル展開はまだまだこれから、ということなのかもしれません。

以下、記事から掲載順にグローバル化関連を引用します。

■日立製作所
・鉄道発祥の国、英国に笠戸事業所で製作したCTRL向けA-trainアルミ車両が上陸

■東芝
・カザフスタンでの提携やウラン鉱山プロジェクトなど原子力事業強化に布石

■富士通
・海外で企業の合併・買収(M&A)加速

■日本IBM
・創立70周年を機に国単位での地域統括会社に移行
・グローバル拠点を活用したサービス事業が拡大

■三井住友銀行
・国内外で拡大を図った提携戦略(セントラル・ファイナンス、OMCカード、韓国国民銀行、ベトナム輸出入銀行など)

■日本ガイシ
・メキシコにセラミックス事業の新生産拠点の設立を決定

■キリンホールディングス
・豪州ナンバー1の乳製品・果汁飲料会社ナショナル・フーズの全株式取得

■ライオン
・米ブリストル・マイヤーズスクイプ社からの解熱鎮痛剤「バファリン」の日本・アジア・オセアニア地域での商標権を獲得
・環境対応の界面活性剤を世界に拡販すべく製造販売子会社をマレーシアに設立

■JTB
・北京に中国事業統括会社を設立
・北欧の大手旅行会社「ツムラーレ・コーポレーション」を買収

■トヨタ自動車
・中国・天津第三工場、ロシア工場など海外工場が稼動

■日産自動車
・インド、モロッコなど新興市場での事業拡大を発表

■三菱重工
・US-APWR(改良型加圧水型軽水炉)原子力発電設備2基、米国テキサス電力が採用決定

■コマツ
・茨城、金沢、インドの国内外工場が稼動、ロシア工場建設を決定

■森ビル
・中国・上海市の地上101階建て超高層複合ビルプロジェクト「上海環球金融中心」が上棟

 

以上です。