現在の日本では、様々な経済活動が滞っています。
その大きな原因は、言うまでもなく停電。
何かイベントをしようとしても、その時点で停電になる可能性があれば、キャンセルせざるを得ません。
店も停電になると閉店せざるを得ません。
まさに、電気は社会活動のエネルギー源。
ですので、ここ数ヶ月から1年間で必要なことは、まずは電力を復旧し、停電をなくすることかと思います。
一方で、現在、日本全体、および東京電力内の電力のうちで23%が原子力に依存しています。
今後原子力発電を推進することが難しくなることを考えると、これから数年~10年単位で必要なことは、日本を低エネルギー消費社会に変えていくことではないでしょうか?
最大電力供給量は、ピーク時の電力消費にあわせて設定されています。
ですので、蓄電によって、電力需要の低い夜間等に電気を溜めておいて、ピーク時に溜めておいた電力を使用する、というのは、一つの解決方法になり得ます。
ヨーロッパでは、既にこの要素技術を活用しようとしているプロジェクトがあります。
例えば、電気自動車は年間の95%の時間は駐車されコンセントに繋がれています。電気自動車(または、プラグインハイブリッドカー)のバッテリーを蓄電池として利用するのも、一つの方法です。
また、風力発電や太陽光発電等の再生エネルギーは、CO2を発生しないという利点はありますが、電力供給量は天候次第で安定しない、という欠点もあります。
デンマークで、数年前からこの両者をうまく組合わせる取り組みを行っています。
具体的には風力発電から電気自動車の蓄電池に蓄電し、電力量が不足したときに電気自動車の蓄電池から、どれぐらいの電力量を確保できるのかをシミュレーションする方法を開発したり、電気自動車からの電力をスマートグリッドに送るシステムを構築しようとしています。
詳しくは、こちらをご参照下さい。
IBMもこれらのプロジェクトに関わっていますので、これらの成果を日本で適用していくことも可能です。
これらはあくまで一例です。
電気自動車やプラグインハイブリッドの普及はこれからですので、数年先を見据えた解決策になってくると思います。(また、電力抑制を求められる現状、プラグインハイブリッドとの組合せの方が有望かもしれません)
いずれにしても、グローバルな視点で改めて見てみると、日本が直面する課題を解決するためのテクノロジーや仕組みは、既に様々なものがあります。
これを日本に適用することで、さらに発展できる可能性もあります。
自前主義に拘らず、役立つものは積極的に活用していく、という実用主義的な発想が、これからの日本には必要になってくるのではないでしょうか?