今のデジカメ市場は、写真ファンとしてマーケティング戦略の観点で見ると大変興味深い展開になっています。
特にここ数日は、フルサイズ市場の戦いの胎動を感じます。
■最高画質を究極小型化 世界最小の35ミリフルサイズ機「DSC-RX1」(2012/9/12)
ソニーのサイバーショットシリーズで、単焦点35ミリ/F2のカールツァイス・ゾナーT*レンズを搭載。482グラム(バッテリー、メモリカード含)で25万円。この機種を見たときは衝撃でした。
写真はソニー様サイトより
■デュアルAFシステム搭載 先進の35ミリフルサイズ「α99」(2012/9/12)
αシリーズのフラグシップ機です。最近のαシリーズは、当初のミノルタらしさを融合しつつソニーらしい形に進化していますね。スペック的には先進機能満載の感があります。
写真はソニー様サイトより
■ニコン、FXフォーマット最小最軽量の「D600」(2012/9/13)
ニコンのフルサイズ(FXフォーマット)機は、D4、D800/D800Eとありますが、その廉価版です。本体760グラム、価格は実売で22万円。
写真はニコン様サイトより
■キヤノン、世界最小最軽量のフルサイズ機「EOS 6D」(2012/9/17)
フルサイズはEOS 1Ds/1DxとEOS 5Dがメインだったキヤノンが、軽量・廉価版を出しました。EOS 5D Mark IIIと比べると本体860グラムが680グラムと200グラムも軽量化、価格も10万円程度安くなる一方で、無線LAN対応などの新機能も追加しています。
写真はキヤノン様サイトより
2002年に発売されたフルサイズ機EOS 1Dsから10年。しばらくは先行するキヤノンにニコンやミノルタ/ソニーが最上位機で応える展開が続いてきました。
しかしコンパクトデジカメ市場がケータイカメラに浸食されつつある中、フルサイズカメラが主戦場になりつつある予感がします。
ファンにとっては、このような三つどもえの戦いは、より魅力的な製品が出てくるという点でありがたいことです。
消耗戦にならず、常に高付加価値を目指す戦いを継続いただきたいところです。