「顧客中心主義」が企業の競争力を左右する:アイリスオーヤマ家電事業の事例から


ここ数年間苦境に陥っている日本電機メーカー各社は、苦渋の判断で人員削減を進めてきました。

一方で、退職せざるを得ない経験豊富な開発エンジニアを積極的に採用している会社もあります。日用品大手のアイリスオーヤマです。

8月1日の日本経済新聞記事「関西家電OBの新天地 アイリスオーヤマ~電機社員サバイバル」では、大企業から移ったベテラン技術者が新天地でベンチャー企業のように活気ある職場で活躍している様子を描いています。

大企業では、仕事が細分化され沢山の根回しがありました。しかしアイリスオーヤマでは、企画・開発・調達・販売までプロジェクト全体に責任を持ち、根回しもなく判断も迅速、即実行です。

記事では、このように書かれています。

—(以下、引用)—

しかしアイリスには電機大手が見失っている製造業の原点がある。何を作ったらお客さんが喜ぶか。それをシンプルに考える力だ。

—(以上、引用)—

 

大企業は分厚い技術の蓄積や資本力が強みです。たとえば家電製品でも洗濯機はまだアイリスオーヤマでは作れないとのこと。

しかし一方で、仮に規模は小さくても小回りが利くメリットを活かして、「お客さんが喜ぶことを即実行」ができることが大きな強みに繋がります。

また大企業も、顧客中心主義の考え方を行動原理として浸透させることで、分厚い技術の蓄積と組み合わせて圧倒的な競争優位に立つこともできます。

 

記事を拝読して、顧客中心主義に基づいて行動できるかどうかが、あらゆる企業の競争力を左右する時代になったのだと改めて思いました。