今月の日本経済新聞「私の履歴書」は、東大寺長老の森本公誠さんです。
第一回目となる8月1日の連載では、森本さんが若いころにイスラム史を学ぶためにエジプトに留学したことが紹介されています。
仏教の僧侶が、なぜイスラム史を学ぶために留学までなさったのでしょうか?
—(以下、引用)—
もともと仏教と対極にあると思われるイスラムを学べば、仏教の現代的意義も見出せるのではと思ったのが発端だが、異なる視点を持つことができたことは、単に宗教面だけでなく、人間社会の成り立ちや政治の意味、国家の展開などを理解する上で大いに参考になった。
—(以上、引用)—
このことを読んで、会社員時代の自分を思い出しました。
会社員はともすると自分が勤務する会社の視点で物事を考えがちです。
私は前職では日本IBMに30年間勤務していました。比較的社外の世界に触れていた方だと思います。しかし1年前に退職してから、IT業界を離れて実にさまざまな業界の方々とご縁をいただいて仕事をすることで、とても沢山のことを学ばせていただきました。
多様なモノの考え方や視点に触れることは、視野を大きく広げてくれるということを実感しています。
本連載のとおり、仏教の僧侶を養成する寺である東大寺が、「イスラム教を学びたい」という森本さんを快くエジプトに送り出した懐の深さ。素晴らしいですね。
宗教者の森本さんが語る今月の「私の履歴書」を、とても楽しみにしています。