落合博満さんに学ぶ、「プロは、自分の弱点を決して言わない」


私はプロ野球選手のWikipediaを見るのが好きです。

活躍した選手の各年度成績の移り変わりを眺めながら思い出を追体験したり、その選手の人生観や人柄に触れたりできるからです。

ちょっとした本を読むのと同じ体験が得られるので、知らない間に1時間も読み込んだりすることがあります。

 

先日も、落合博満さんのWikipediaを見ていたら、興味深いことが書いていました。

落合さんは510本の本塁打を打っており、そのうち176本は右翼方向です。

アウトコースの球を払うように流し打ちし本塁打にしてしまう技術に感嘆したスポーツライターの山際淳司氏は、著書『ナックルボールを風に』で、落合を取り上げています。

しかし、当のご本人は「俺の弱点はアウトローだった。俺ほど外の球を打つのが下手なのはいない」と語っています。

—(以下、引用)—

実際に落合が得意としていたのはインコースをセンターから右に打つことだった。そのため、ライト方向へ多く飛ぶので「アウトコースは危ない。勝負するならインコース」と落合対策を練る他球団が増え、得意なコースばかり球がきて苦手なコースにはあまり投げ込んでこず、落合本人はそのことをほくそ笑んでいたという。

—(以上、引用)—

人は自分の弱点を口にしてしまい勝ちです。

しかしそのように口にしてしまうのは、もしかしたら自分の心の弱さなのかもしれません。

勝負の世界で生きるプロフェッショナルには、このようなしたたかさが求められるのだな、と思ったエピソードでした。