「ビジネスパーソンに求められる能力は、問題解決能力である」
とよく言われます。
しかし最近、これはちょっと違うのではないか、と思うようになりました。
問題解決能力に加えて、さらに必要なのは、問題設定能力なのではないでしょうか?
例えば、「売上がプラン通り上がらない」という課題があったとします。
非常に単純な間違いは、
「問題は売上が上がらないことだ」
→「売上が上がらないという問題を解決しなければならないのだ」
→「だからセールスを増強するのだ」
というパターンです。
そして「技術者のXX%をセールスに転換しよう」という施策が行われたりします。
あるいは、「売上が上がらない理由は分かりきっている。販売パートナーが少ないのが原因だ」として、販売パートナーへの販売奨励金を上げたり、パートナーへの営業活動を強化する、という活動を何年間も続けたりします。
以前もこのブログに書いたことがありますが、「売上が伸びていないこと」は「課題」であり、「問題」ではありません。
「課題」とは解決すべき事象、問題とは「売上が上がらないこと」を引き起こしている原因です。
例えば、技術支援力が弱くて売上が上がらないとすれば、技術者をセールスに転換すると、売上は伸びるどころか、さらに悪化します。
また、確かに「売上が上がらない理由は販売パートナーが少ないのが原因」かもしれませんが、販売パートナーが増えないとすれば、さらに増えない理由を深掘りしていく必要があります。原因は販売奨励金ではなく、上記と同様技術支援力かもしれません。
ということで、実は「問題解決」の前提となる「問題設定」の方が難しいのではないでしょうか?
私達は学生時代から、ややもすると答えが存在する問題を与えられて、その解答を探す、ということを学校で習ってきました。
しかしビジネスの世界では、問題解決の前に、「どのような問題を解決するべきなのか?」ということの方がより重要です。
そして変化が激しくなってきている現代、目の前に解決すべき課題は次々と現れますが、その原因となっている真の問題は自分で探さなければならない場合が多くなっています。
言い換えると、問題を設定さえできれば、課題の50%は解決しており、後工程である問題解決は容易です。
ビジネスパーソンとして、これからは、問題解決力よりも、真の問題を探し出して設定する力がますます必要な時代となっていると思います。
問題を探すための方法論は世の中に色々あります。
例えば「ロジックツリー」は問題を深掘りするために役立つ手段です。ここで問題を切り分ける際には、「MECE」という考え方を使ったりします。
検索すると出てくるので、興味がある方は調べてみることをお勧めします。
一度しっかりこれらの方法論を学んで整理しておくと、将来ビジネスで役立つでしょう。
何が問題なのか見つける能力が必要とされるようになってきましたね。問題設定能力を鍛える連載もお願いしたいです。
テクネコさん、
コメントありがとうございました。
おっしゃる通りですね。
ぜひ書かせていただきます。