藤巻幸夫さんが、『「これといった好きな仕事が見つからない」だと? ふざけるな!』という記事で、以下のようなやり取りをされています。
—(以下、引用)—
【質問1】派遣の仕事でいろいろな会社で働いてきましたが、これといった好きな仕事が見つかりません。今の仕事が嫌いなわけではありませんが、やりたい仕事ではないせいか意欲があまり湧いてこないのです。本当に好きなことを仕事にしていらっしゃる藤巻さんにぜひこの悩みを聞いてもらいたかったです。
【藤巻幸夫さんの回答】「やりたい仕事が見つからない私はどうすればいい?」だって?
あえて「ふざけんな、バカヤロー」と言ってやりたい。だいたい、やりたい仕事なんてそんな簡単に見つかるもんじゃない。人生なんて、毎日「不条理」と「矛盾」の嵐だよ。—(以上、引用)—
藤巻さんは2歳年上で私もほぼ同年代ですが、「やりたい仕事なんてそんな簡単に見つかるもんじゃない」というのは、同感です。
私の場合も、20代の頃は、次々と来る仕事をただ必死に返すだけ。
30代になり、色々と主体的に考えて出来るようになりました。しかし自分の所属していたグループはなかなか売れる製品が生み出せません。「これこそ、売れる」とみんなで考えて、自分が企画担当者として出した製品も、ふたを開けてみた瞬間にバブルが弾けて予想の1/100しか売れませんでした。
結局、2年間プリセールスとして全国を売り歩いた末、多くのお客様で大規模プロジェクトでご採用いただき、製品は軌道に乗りました。
しかしその製品も、全社のグローバル戦略の中で製品ポジショニングの判断が行われ、開発中止が決定。
藤巻さんのお話しを読んで、改めて自分のことをふりかえると、確かに「不条理」と「矛盾」の連続ですね。
しかしそのような中で無我夢中にやってきて、確かに学んだことも多かったですし、それらは40代を迎えて大きな財産になっています。
もしかしたら傍目には、今の私は好きな仕事を好きなように楽しくやっているように見えるかもしれません。
しかし、20代・30代の時に「不条理」や「矛盾」と向き合った経験をしていなかったり、あるいはそのような状況に「意欲が湧かない」といって手を抜いていたら、多分、今のような形で仕事は出来ていなかったと思います。
なぜなら今でも、より大きな「不条理」と「矛盾」の繰り返しですし、心が折れそうになることなど、日常茶飯事です。
恐らく、そもそも仕事というのは「不条理」と「矛盾」の繰り返しで、藤巻さんがおっしゃっているように、そんな状況で頑張った時にご褒美として、仕事でいい出会いや喜びにめぐり合うことがたまにある、ということなのでしょう。そしてそのご褒美は、本当にありがたいものです。
ですので、もし現在の「不条理」や「矛盾」から逃げていたとしたら、その後にもらえるかもしれない頑張ったご褒美を得ることもないでしょうし、その後やってくるであろうもっと大きな「不条理」や「矛盾」に向き合うこともできないのではないか、と思います。