ここオルタナティブブログでブログを書いている方々は、経営者もいれば企業の会社員もいます。皆さんは日々の仕事をしながら、実名で主体的にメッセージを出しています。本を書いている方も沢山おられます。
このようなビジネスパーソンのあり方は、一昔前には考えられなかったように思います。
右肩上がりの高度成長期は、会社が成長することで自分の活躍の場も広がる、しんどいながらも幸せな時代でした。仕事は大変でしたが、「滅私奉公」という言葉もあるように、会社に自分の未来を投影できた時代でもありました。
多くのビジネスパーソンにとって「会社での仕事が自分の人生」だったのではないでしょうか?
「24時間戦えますか?」というCMが話題になったのも、この頃です。
ちなみに私、27歳だった1989年に会社勤務の傍ら写真の個展を行いましたが、この時は「かなり変わった奴がいる」という目で見られました。
その後バブルが崩壊。終身雇用も崩れ、少子高齢化が進んできました。一方でバブル崩壊数年後にインターネットも登場しました。
「会社=自分」だったのが、どうも「会社≠自分らしいぞ」ということになってきました。
多くのビジネスパーソンが、漠然と「自分ブランドの確立」を考え始めます。
またでワークライフバランスという考え方も出てきました。
そして「24時間戦えますか?」とは真逆の「育MEN」という言葉が広がりました。
このような時代、多くのビジネスパーソンが「自分はいかに仕事に関わっていくべきか?」ということを改めて考え始めているように思います。
そしてそれは、「いかに自分の人生を生きるか?」ということなのではないかと思います。
このように考えると、ビジネスパーソンのあり方が進化しているのではないでしょうか?
仮に高度成長期までのビジネスパーソンのあり方を「ビジネスパーソン1.0」、現代のビジネスパーソンのあり方を「ビジネスパーソン2.0」と名付けてみます。
「ビジネスパーソン1.0」は、あくまで「組織の中の個人」。
一方で「ビジネスパーソン2.0」は、「組織の中の個人」でありながら「独立した個人」という面も持っています。ちょうど冒頭で書いたオルタナティブブロガーの皆さんは、そんな人達なのかもしれません。
あえて「ビジネスパーソン1.0」と「ビジネスパーソン2.0」を比較してみると、こんな感じでしょうか?
ビジネスパーソン1.0
働く意味:自己実現=会社の成長
立場:インサイダー
会社と家族:滅私奉公
コミュニケーション:社内が主体
ソーシャルメディア:匿名参加
ビジネスパーソン2.0
働く意味:自己実現=自分ブランド確立
立場:インサイダー+アウトサイダー
会社と家族:ワークライフバランス
コミュニケーション:社外コミュニティへの参画
ソーシャルメディア:実名参加
インターネットなどで様々な情報を収集・発信したり、コミュニティを作ったりできるようになったことで、個人の能力も、高度成長期と比べて格段に大きくなりました。このことが「ビジネスパーソン2.0」の能力をも非常に大きくしていると思います。
実際に昨年のビジネス書のベストセラートップ10を調べてみたところ、半分がビジネスパーソンが著者でした。たしかに仕事の学びは日々実務に携わっているビジネスパーソンしか書けません。
ビジネスパーソンは、「ビジネスパーソン2.0」に進化することで、可能性が大きく広がる。
それは社会にとってもとても良いことなのではないか、と最近考えています。