否定合戦から、価値創造合戦へ


2012/06/18の日本経済新聞に掲載されていた「春秋 自分と異なる意見の持ち主を前にしたとき、どう応じるか」は、とても勉強になりました。

—(以下、引用)—

 自分と異なる意見の持ち主を前にしたとき、どう応じるか。正面から全否定で返す「No」。うなずくふりで欠点を突く「Yes,but…」。そのいずれとも違う「Yes,and…」という発想を、街の再生を手がける山崎亮さんの近著「まちの幸福論」で知った。

(中略)

….反対意見もまず肯定し、思いをくみ取り、より良いアイデアづくりにつなげ活動に巻き込む。「自分が否定されたと思った人は、相手を否定する」からだという。

—(以上、引用)—

 

異なる意見を持つ相手とどのように対するかはビジネス・スキルが問われる場面です。

本稿に書かれているように、確かに相手を否定すると相手もこちらを否定する可能性が高いのです。まさに「否定合戦」ですね。

 

一般に欧米系コミュニケーションは「ディベート」の印象が強いためか、相手を否定して論破する「否定合戦」のイメージが強いのではないでしょうか?

しかし私の経験では、明確に相手を否定する意見を言うことは極めて稀です。むしろかなり言葉を選んで肯定的な言い方で別の意見を伝え、新しい価値を探そうとします。

本稿でも同じことを書いています。

 

—(以下、引用)—

….コピーライター、糸井重里さんの事務所では手帳やタオルなどの雑貨を開発している。会議では他者の提案を否定するのは禁止。不満ならもっといい案を出す決まりだ。「価値を増やすのが僕らの仕事。否定は価値を増やさない」と糸井さん。この手法でヒット商品を次々と世に送り出す。

「あなたは間違っている」。議会や集会、テレビの論戦などで目にする、勇ましげな非難の応酬。 ….(中略)…. 昔ながらの非難合戦と、今どきの提案競争。社会や生活の価値を増やすのは、どちらだろう。

—(以上、引用)—

 

本稿を読んで、単なる「否定合戦」からより高度な価値創造を実現する「価値創造合戦」への進化が、今は必要なのではないかと思いました。