2013/7/8の日本経済新聞夕刊のコラム「こころの玉手箱」を拝読しました。今週はイトーヨーカ堂の亀井淳社長です。
今回、亀井社長が紹介しているのは、金田正一・長嶋茂雄・王貞治 連名のサインボール。
巨人軍関係者も、この巨人軍黄金期を支えたスーパースター3名連名のサインボールは見たことがないそうです。
なぜ、このようなサインボールを亀井社長は持っておられるのでしょうか?
亀井さんは、金田さんと家族ぐるみの付き合いでした。
2001年2月、金田さんから「長嶋に会いに宮崎キャンプに行こう」と連絡があり3人で食事をした際、金田さんは長嶋さんからボールをもらって、長嶋さんと自分のサインをし、そのままポケットにしまいました。てっきりもらえるものと思った亀井さんは、肩を落としたそうです。
夕方、東京に戻ろうとすると、金田さんは「ちょっと沖縄に行ってくる」と突然消えました。ここでも一緒に戻ると思っていた亀井さんは肩すかし。
2週間後、お礼も兼ねて金田さんと東京で会うと、金田さんはポケットからボールを取り出し「沖縄でキャンプ中の王にも書いてもらった」と3名連名のボールを亀井さんに渡します。
コラムでは、亀井さんはこのように書いておられます。
—(以下、引用)—
「プロだ」と思った。期待を上回ることをさりげなく行う。人を喜ばせるために全力を尽くす。改めて自分の仕事に置き換えて考えてみた。
お客様に期待以上のサプライズをお届けしているのか。サプライズとはどのようなものなのか。お客様の立場でサプライズを考えているのか。
スーパースター3名連名のサインボールは小売業の原点も教えてくれている。
—(以上、引用)—-
「100円のコーラを1000円で売る方法」でご紹介した、顧客満足の式は下記の通りです。
顧客満足 = 顧客が感じた価値 ー 顧客の事前期待
事前期待を圧倒的に上回る価値を顧客が感じた時に、サプライズが生まれます。
プロは常にこれを実現しようと、全力を尽くしているのです。
自分は、お客様にサプライズをお届けするために、本当に全力を尽くしているのか?
コラムを拝読し改めて肝に銘じようと思いました。