ニコンの事例:マーケティング・インテリジェンスがビジネスを変える


2005年と2006年、デジタル一眼レフカメラ市場ではキヤノンが不動の首位でした。しかし、2007年上期はニコンが40%以上の販売台数シェアで首位の座を獲得しています。

ITproの記事「デジタル一眼市場で初の年間首位が視野に、データ分析専門組織がきめ細かなラインナップを支援」は、この秘密として、顧客情報や販売情報などを集約してスピーディーに分析するニコンの専門組織「マーケティングラボ」の存在を挙げています。

このマーケティング・ラボ、単にデータを集めるだけでなく、分析も行っています。

データをインテリジェンスに高める専門組織を作った、ということですね。

記事によると、具体的には、

  • 製品毎に購入者を様々な観点や手法によって類型化、マーケティング戦略をスピーディーに修正できるよう支援
  • 顧客調査、販売店や販売会社から日次販売データも集める
  • 特に新製品発売のタイミングで、ネット上の自社・他社製品の書込み情報も詳しくチェック

マーケティング・インテリジェンスがビジネスを変えた好事例ですね。

古くは、戦国時代の桶狭間の戦いで、圧倒的劣勢だった織田軍が大軍だった今川軍を破ったのも、今川軍の情報を信長がよく収集していたからである、と言われています。

ただ、これが機能したのも、信長がどのようにすれば圧倒的優勢だった今川軍を打ち破るにはどうすればよいか、常に仮説を立てていたからであると思います。

マーケティング・インテリジェンスがビジネスを変えられたのも、仮説検証プロセスが機能してこそ、であると思います。逆に言えば、仮説がないところには、インテリジェンスも生まれないのではないでしょうか?