「篠山君。仏像はね、走っているんだよ!」
写真家・土門拳が、篠山紀信に生前語った言葉だそうです。10年程前に、篠山紀信が村上龍の番組に出演した際に語っていました。
ちなみに、「徹底したリアリズム写真」を提唱し報道写真の鬼として世界的に知られた土門拳は、ライフワーク「古寺巡礼」を残しています。
この言葉は重いですね。
普通に考えると、古寺での仏像撮影は非常にゆったりしたものではないかと思いがちです。しかし、土門拳が覗くファインダー上ではその刹那がめまぐるしく動いており、土門拳はその「決定的瞬間」を捉えるために全身全霊でシャッターを切っていたのではないかと思います。
写真以外の世界でも、我々は様々な「決定的瞬間」に巡り合っていると思います。このような「決定的瞬間」、神経を研ぎ澄まさないと、なかなか見えないものなのではないでしょうか?