嗚呼、手段と目的のはき違い


世の中には、手段と目的のはき違いが非常に多いのではないでしょうか?

例えば、広告をうつことは目的ではなく手段です。

言うまでもなく、広告の目的は、広告を通じて市場のブランド認知を高め、あるいはセールスリードに繋げてビジネスを獲得することです。従って、広告やマーケティング・プログラムは、おおもととなるビジネス戦略としっかり連携したものでなければなりません。

例えば、「とにかく選挙に勝たなければならん!!」と叫ぶ政治家もそうです。

国民の立場からの意見ですが、選挙に勝つことは自分の政治理念を実現するための手段なのではないでしょうか? もちろん選挙に勝たなければ何も出来ませんが、「選挙に勝つ」ことを目標と考えるのは、これも手段と目的のはき違いであるように思います。「この国をこのように変えたい」という理念が目的なのではないでしょうか?

手段がいつの間にか目的と入れ替わってしまい、その手段を完璧にしようと日々まい進してしまう。

私達はこれを他人事として笑えるのでしょうか?

IT業界でも、同じことが起こっているような気がします。

企業の目的は、顧客の創造を通じた自社ビジネスの拡大です。

この観点から考えると、IT企業の目的は、ソフトを売ることでも、ハードやサービスを売ることでもありません。

それらは手段です。目的の達成のためには、手段を変えることも必要です。

オープンソースやSaaS等、非常に多くの様々な要因でIT業界は現在激変期を迎えています。

今だからこそ、何が目的で、何が手段なのか、我々一人一人は、しっかり見極めていきたいものです。

嗚呼、手段と目的のはき違い」への3件のフィードバック

  1. > 手段と目的のはき違い
    これはとても問題だと思いますが、
    > 「とにかく選挙に勝たなければならん!!」と叫ぶ政治家
    これは「選挙に勝たなければ何も出来ません」という現実がある以上、当然という気もします。「手段」を叫んでいるだけですよね。
    私は「選挙には勝てなかったが(勝てるとは思わなかったが)、有意義な戦いができた」なんていうノーテンキな政治家の方が疑問です。
    ちなみに、企業の目的(使命)は "mission statement"(corporate mission)などで表明される場合が多いですね。御社の場合は、こちら → http://www.ibm.com/investor/company/index.phtml (さすがに当社のものを紹介するのはやめておきます。日本語版古いし:-<)
    まずは、ここからブレないようにすることが(企業の一員が)手段と目的を履き違えない第一歩ではないでしょうか。

  2. mohnoさん、
    それはそうなんです。そうなんですけれども、やはり本来の目的である理念は持ち続けて欲しいですね。
    手段である選挙のことばかりを叫ばれても、なんだかなぁ、と思います。
    顧客満足と売上・利益の関係と相似形かもしれませんね。

  3. Clip: 手段と目的

    なぜ手段と目的の履き違えが起こるかということについて、主に企業活動に関して言うと、複数の人数で仕事を廻す以上、基本的に“起こるもの”と考えておいた方がいいのかも。なぜなら「企業にとっての“手段”」であるはずのことが、一人一人にとっては「その人の“ミッション”」となるので、どうしても個人個人としてはそれが“目的”となってしまうから。…

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