ルノーの競合車分析センターから学ぶ、インテリジェンス活用の重要さ


昨日(10/19)の日刊工業新聞の記事で、仏ルノーがライバル車を徹底的に分析している様子が書かれています。

—(以下、引用)—-

パリ近郊にあるルノーのテクニカルセンター。その一角に分解された他社のクルマが20台ほど置かれている。「競合車分析センター」と呼ばれる専門チームは現在約80人。充実した設備が整ったのは数年前。年に500以上のクルマを徹底的に調べあげることができる。……ミリグラム単位の素材や電子制御ユニット(ECU)まで調査し、ボウダイナリポートを開発や調達部門などに報告する。開発過程で最初の"検問"になるだけに役割は重要だ。

「….今、面白いと思って解体しているのはインドで作ったスズキの『スイフト』。サプライヤーなら全部分かるよ。」

—(以上、引用)—-

インテリジェンス獲得のために、会社の経営資源を投入している取り組みは、非常に参考になりますね。

日本はどちらかというと、現場重視で、現場で獲得した暗黙知を会社全体で活かしていく傾向が非常に強いと思います。この愚直なまでの取組みが、日本の企業の強さを生んでいます。

一方で現場重視のあまり、専門家による分析を通して得られたインテリジェンスを軽視する傾向が一般的にあるようにも思われます。

現場重視はメリットも多いのですが、あえてデメリットを一つ挙げるとすれば、現場で分かることは自分達が接している範囲に限られてしまう、ということではないでしょうか? 自分達がカバーできない範囲で起こっていることは分かりません。

現場重視のよさと、獲得したインテリジェンスの活用を組み合わせることで、新しい価値を生み出していく可能性があるのではないでしょうか?