昨日(2006/6/6)、ソニーが同社初のデジタル一眼レフカメラ「α100」を発表しました。
1020万画素の自社製高画質CCDに、コニカ・ミノルタから継承したボディ内蔵型手ぶれ補正を組み込み、実売10万円程度だそうです。アンチダスト機能が付いているのも嬉しいですね。CCDのゴミには結構悩まされますので。
改めて写真でソニーのロゴが付いているデジタル一眼レフを見ると、なかなか感慨深いモノがあります。10年前に、ソニーが一眼レフカメラ業界に参入することを予想する人は極めて少なかったのではないでしょうか?
本日(2006/6/7)の日経新聞朝刊によると、今年度、ソニーはデジタル一眼のシェア10%、デジカメ全体のシェア20%を狙っているそうです。
2週間程前に「カメラ業界の大激震2」で書きましたように、デジカメ業界の基幹部品はCCD等の画像センサーに移っており、新製品投入サイクルは半年程度に短縮しています。
CCDを内製しエレクトロニクス技術とデジタル技術に優れ、製品サイクルが短いコンシューマー業界で確たる地位を築いてきたソニーと、先進的な光学技術を持つ旧コニカ・ミノルタの開発技術陣が組み合わさったことで、この業界も新しい展開が生まれる可能性が出てきました。
前回も述べたように、製品性能(デジカメの場合は画素数)が市場ニーズに追いついたことで、市場の競争基盤が変わり、顧客は利便性やカスタマイゼーションに割増料金を払うようになります。
今後αは、ソニーが得意としているデジタル家電と連携し、新しい生活スタイルを提案する方向に進化していきそうです。考えてみると、私もコンパクトデジカメで動画を撮ってパソコンに保存することが多くなりましたし、将来的にはビデオとデジカメの境界線もなくなっていくかもしれません。
松下電器産業もオリンパスと組んでこの秋にフォーサーズ規格のデジタル一眼を出すそうです。ソニーがカールツァイス・レンズをラインアップしているのに対し、松下電器がライカレンズを組み込んでいるのも興味深い点です。そう言えば、かつてミノルタとライカは共同で、ライツ・ミノルタCLや一眼レフのライカRシリーズ(初期)を共同開発していましたね。
成熟しつつあるように見えたデジカメ市場ですが、イノベーションの観点でも、ますます面白くなってきそうです。