間違っているんじゃないかなぁ、と思いつつ、つい他人と同じことをやってしまう


人は、間違っているんじゃないかなぁ、と思っても、つい他人と同じことをやってしまいがちです。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と言われますが、実は、みんなで渡らないと不安になる、という面もあるようです。

このことをアッシュという人が実験で裏づけました。

被験者に対して、図の上に描かれた同じ長さの棒を交互に見せます。但し、二枚目は、棒の近くに別の長さの棒を描いて、わずかに錯覚が起きやすくしておきます。

この被験者に対して、「どちらの棒が長いか?」と質問します。「同じ長さ」が正解です。

特に何も細工をしない場合は誤答率は0.7%でしたが、間違った答えをするサクラを混ぜて質問をすると、誤答率はなんと37.0%になってしまいました。

ちなみに、これはドイツでの実験だそうです。「日本人は同調しやすい」と言われますが、実際に実験したところ国によって大きな違いはなかったそうです。

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この「他人がやっているから自分もやる」と人間の同調行動は、マーケティング上でも非常に重要です。

例えば、既にその商品を購入して、役立てたり楽しんだりしているお客さんがいると、安心して購入に踏み切れます。

一方で、その商品に悪い評判が立って買う人が少なくなると、人々は同調するので、売上は加速度的に一気に落ちます。

インターネットでクチコミがあっという間に広がる現代では、その傾向がさらに顕著になっています。

従って、シェアを獲得し、他のユーザーが満足していることを示すことが、マーケティング上ますます重要になってきています。

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一方で、このことはダークサイドも持ち合わせています。

例えば、組織全体で犯罪行為が行われている場合、周りの人達に同調せずに断固として同じことをしない、というのは、かなり強い精神力が求められるのではないでしょうか?

やはり、社会的動物である人間は、個人となると弱い存在です。

このようなことを防ぐのが「コンプライアンス」ですが、同調行動をいかに防ぐかは大きな課題ですね。