5年程前、社会人大学院に通っていたのですが、その際に学んだ比較文化論のメモを改めてマーケティングの観点で読み直してみたところ、面白い内容だったので、ご紹介します。
ある調査によると、それぞれの宗教が世界人口に占める信者の数は、キリスト教が33%、イスラム教が17%、ヒンズー教が13%、仏教が6%だそうです。キリスト教とイスラム教だけで世界の50%の「市場シェア」を持っています。
宗教には大きく分けて一神教と多神教があります。言うまでもなくキリスト教とイスラム教は一神教です。
キリスト教の場合、世界中に宣教師を送って布教活動を行い、各地の土着宗教を押しのけて浸透していきました。例えばトンガは様々なTabuを持つ土着宗教を持っていましたが、短期間でキリスト教化しました。
一神教であるキリスト教とイスラム教が世界宗教となった要因として、次の4つがあると言われています。(ここは人によって様々な意見があるかもしれませんが、あえて宗教的な教義には踏み込まないこととします)
1.システム化された宗教論理を持つ
2.単純で分かり易く、辻褄が合っている
3.またキリスト教の場合、聖書が物語として面白い
4.この結果、多神教の土着民族宗教と比べて多くの民族に受け入れられやすい特性を持つ
世の中に幅広く受け入れられるためには、構造化され、分かり易く、面白いことが重要だったようです。
考えてみると、これらの要因は、マーケティングの観点でも、世界展開を考えた際に極めて妥当なのではないでしょうか?
別の観点で考えると、19世紀から20世紀後半の科学技術発展が元々デカルトによる要素還元主義をベースとしていて、一神教であるキリスト教の考えと整合性が高く、かつ分かり易いために世界中に波及した、という面もありそうです。
一方で、環境問題や人のこころの問題に代表されるように、近年、欧米文化が行き詰まり東洋哲学に活路を求める傾向も見られます。
ちなみに、私は特にどの宗教の信者でもありません。イザヤ・ベンダサン(= 山本七平)的に言うと、日本教になると思いますが。
(注)しつこいようですが、本エントリーはそれぞれの宗教の是非を問うものではありませんので、念のため。
宗教ネタの扱い方がおっかなびっくりという感じでよいです。
ほんと、なんで腫れ物に触るような書き方なんでしょう?弱弱しい書き方で素敵です。(笑
主張自体を弱めているつもりは全くないのですが、宗教をマーケティング的に見るという試みなので、ちょっと慎重を期した書き方にしています。(^^;)
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