本日(6/6)の日刊工業新聞の記事「潜在ニーズを探る 問題意識がビジネス生む」(専修大学商学部 黒瀬直宏教授執筆)は、お客様の潜在ニーズをいかに製品に結び付けるかを考える上で、大変参考になりました。
—(以下、引用)—
船舶用冷凍機や産業用冷却システムで世界シェアトップの前川製作所のマーケティングの柱は、「顧客がうまく言い表せないニーズを汲み取って提案する」ことだ。
同社では各種のユニークな自動機も開発している。ヒット商品の一つに「トリダス」がある。
鶏肉加工場に冷凍機を納めに行った社員が、手作業で鶏のモモ肉の骨をはずしているのを見て、非効率なのに驚き、自動機の開発に取り組んだ。鶏肉加工業者の方では、「この業界では昔から手で骨を取り出すことになっている。それ以外の方法があるのではと考えること自体がばかげている」と思い込んでいる。
自動機の開発には時間がかかったが、それを見せられた鶏肉加工業者は、その便利さに飛びついた。ということは、鶏肉加工業者には「自動で脱骨する」というニーズが確かにあったのだが、自分自身ではそれにはっきり気づいていなかったということだ。
—(以上、引用)—
これは、まさに「ソリューション」ですね。
「ソリューション」という言葉、残念ながらIT業界では既に使い古されつつあるキーワードになっています。しかし、この考え方の重要性は、時が過ぎても変わらないと思います。
「トリダス」のように、一度見せればその価値が一目瞭然で、売れるものを揃えていきたいものです。
そのためには、お客様が気が付かない潜在ニーズの掘り起しが必要になります。
その潜在ニーズ掘り起こしのためには、お客様の理解が必要になります、
しかし誤解を恐れずに言えば、ここで重要なのは、決してお客様の完全な言いなりになってはいけない、ということだと思います。
確かに、お客様が言葉に出しておっしゃることは非常に大切であり、お客様の声に真摯に対応していくことが重要であることは言うまでもありません。
しかし、我々はその上で、お客様が気が付かない視点を持ち、お客様が知らなかった解決方法を提供していくことが求められています。
この記事では、このことについても考察しています。
—(以下、引用)—
解決を待っているのが「問題」だ。「問題」こそ潜在ニーズのたまり場である。ところが、顧客の多くは「問題」に慣れてしまい、「問題」を「問題」と意識しなくなっている。それを第三者の目で気づかせる。「お客さんが必要としているのはこういうことではないですか」という具合だ。
提案はご用聞きと違い、高度な能力が必要だ。
—(以上、引用)—
「問題は解決を待っている!!」という視点、非常に重要ですね。
この視点を身につけるためには、我々は「与えられた問題をいかに解くか?」という姿勢から、「どのような問題を見つけるか?」という姿勢に、大きく変えていく必要があるのではないでしょうか?