マーク・アンドリーセンが"Why Software Is Eating The World"というレポートを書いています。
やや長めのレポートですが、私が面白いと思ったのは下記の部分です。(意訳しています)
—(以下、引用)—
世の中で一番大きな書店は、ソフトウェア会社であるAmazon。
世界で最高・最新の映画制作会社は、ソフトウェア会社であるPixar。
今日、大規模のダイレクトマーケティングのプラットフォームは、ソフトウェア会社であるGoogle。
今日、最も急速に成長している通信会社は、ソフトウェア会社であるSkype。
今日,最も急速に成長しているリクルーティング会社は、ソフトウェア会社であるLinkedIn。
世界で市場を制圧している音楽会社は、ソフトウェア会社であるAppleのiTunes。
現実世界でも、WalMartやFeDexはロジスティックスと配送機能を増強するためにソフトウェアの力を使っている。
ソフトウェアはあらゆる世界に入り込んで、世界を変えようとしている。
—(以上、引用)—
「ITが世の中を変革しつつある」ということを、マーク・アンドリーセン流の表現で語っているレポートです。
これを読んで、色々と考えました。
マーク・アンドリーセンは、本レポートではソフトウェア会社のことを、ソフトウェア製品販売会社ではなく、「ソフトウェア・テクノロジー活用が業務の柱となっている会社」と定義しています。
そしてここでは、ソフトウェアの本質的なことが語られているように感じます。
それは、「特定のニーズに対して使われる頻度が、世界全体の中で最も高いことが、ソフトウェアの価値を定め、さらに、そのようなソフトウェアを使っていることが企業の価値を定める」ということです。
あくまで私の仮説です。
もしそのようなソフトウェアが、特定企業によって、特定のニーズに対して独占的に所有されているのであれば、それはダントツの価値をその企業にもたらします。
一方で、特定企業ではなく、複数の企業で使われるソフトウェアもあります。
パッケージソフトはその代表です。ユーザーから見た場合、もし自分で作り込むことがビジネス上の強みを生み出さないのであれば、作り込まずにパッケージソフトを活用することで、自分が使っているソフトウェアの価値を享受することができます。
なぜなら、他の企業も使っているので、クリティカルマスを享受できます。
このように考えると、「何でもかんでも自前開発」という考え方から、「できる限りソフトウェア製品を活用」という方向にシフトするのは、必然の流れなのだ、と改めて思いました。