今まで「原発は絶対安心」と言われてきましたが、今回事故が起こりました。これにより、多くの方々が苦しんでおられます。
このような中で、定期検査中の原発再稼働にあたり、政府からはストレステストを適用する方針が出されています。
9月19日の日本経済新聞に、このストレステストに関連した記事「ストレステスト、原発、事故の確率明示―IAEAが国際基準、安全策強化促す」で掲載されています。
—(以下、引用)—
国際原子力機関(IAEA)は原子力発電所のストレステストの国際実施基準の中に、炉心損傷など過酷な事故が起きる確率を各国に試算させ、明示させることを盛り込む方向で検討に入った。….日本が始めた独自のストレステストはここまでの対応を求めておらず、再実施を迫られる可能性が出てきた。
(中略)
….確率の目標値などは定めないが、各原発のリスクが数字で示されることになり、対策を求められる各国政府は取り組みの焦点が絞りやすくなる。
防護策が正常作動すれば深刻な事故には至らないため、自然災害の発生確率よりは大幅に低くなる。だが、各防護策が100%の確率で正常作動するとは想定できないことから「ゼロ%」にはならず、周辺住民の不安を招く懸念もある。
—(以上、引用)—
確かに、事故可能性を見える化する1つの方法が、事故発生確率を数値化することです。
しかし、記事にありますように何事も「100%確実」はあり得ません。
将来、事故発生確率明示化を求めるIAEAの基準に基づきストレステストを行った結果、「□□原発の事故発生確率は××%」となった場合、果たして、「稼働する」という判断ができるのか?
その判断基準の明確化と、その個別判断に対する周辺住民への納得いく説明も、今後は求められることになると思います。
今まで「原発は絶対安全」といったように、主観的なあいまいさが許されてきた中で、今回の事故が起こった訳で、今後はこのような客観的な評価に基づいた対策が必要になるのは、やむを得ないことなのでしょう。
その場合、私たちが「□□原発の事故発生確率は××%」という評価事実に対して向き合えるかどうかも、問われてくるのではないかと思います。
もしかしたらこれは、今後私たちが現実主義に目覚めるかどうかの試金石になるかもしれない、と思いました。