「MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」、企画の裏側


1ヶ月前に「MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」を出版しましたが、メルマガを読まれている方からこんな質問をいただきました。

「永井さんはなぜこのタイミングで、しかも既に数多く出版されてるMBAをテーマに、本を書かれたのでしょうか? 事前リサーチで『必ず勝てる』と判断された根拠は何ですか?」

色々な編集の方々とお付き合いしてきましたが、そもそも本が売れるか売れないかは、編集のプロでも「わからない」そうです。

一方で私は、「全ての新著は新規事業である」と思っています。
ですので本の執筆をする際には、新規事業立ち上げの方法論を使って1冊ずつ企画をしています。新規事業立ち上げですから、企画はあくまで仮説。『必ず勝てる』保証はありません。実は私も結構空振りしています。しかし仮説の精度を上げれば、勝率を上げることは可能だと思っています

著者としての企業機密も若干入っていますが、差し障りがない範囲で紹介したいと思います。
皆様が商品開発を企画する際に少しでも参考になれば幸いです。

【なぜ本書を書こうと思ったのか?】
私は著書で必ず参考文献を引用しています。担当編集の方と相談しているうちに、「順番を逆にして、参考文献を主体にした本を書くといいのでは?」というアイデアが出ました。そこでテーマを思いっきり絞って「海外MBAエリートが読む本」とし、インパクト重視で「50冊」にしました。

【そして分析】
世の中にある本を調べてみると、ビジネス書の要約本はそれなりに多いのですが、「海外MBAエリートが読む骨太な必読書」という視点で数十冊をまとめた本は、ありそうで意外とありません。あってもその理論を使った日本事例がなかったり、本の要約を箇条書きにしていたり、複数の人が分担していたり、10冊程度をサマリーしたものが多いのです。

【分析からの知見】
・「海外MBAエリートが読む骨太な必読書」の視点で50冊選ぶのは意外と価値がありそうです。
・それらを一人の著者が首尾一貫して、図や日本の事例も入れて噛み砕いて面白く読めるようにし、かつ50冊で相互の関連性も示すのは結構大変。ビジネス書著者にとって、負荷が大きいですよね。(私も正直にいうと「本当にこんな本、書けるのか?」と思いました)

【知見からの仮説】
・これは、「みんなが欲しいのに、ありそうで意外とない本」になるのではないか?
・本書を出すことで、私自身の使命である「日本のビジネスパーソンのビジネス力向上」に少しでも寄与できるのではないか?
・さらに、永井個人の著者としての強みも活かせるのではないか?
・結果として、本書も差別化できるのではないか?

【仮説の検証】
・実際に執筆途中のエッセンスを朝活・永井塾でご紹介したり、メルマガに書いたりして検証しました。このおかげでどのポイントに関心があるかを掴みながら書くことができました。(皆様に感謝です!)

 

ところで上記はわかりやすくするために、あたかも私一人で頑張っているように書いていますが、実際には本の企画は、担当編集の方との密接な協同作業で進めています。これは企業の商品開発チームと全く同じですね。今回もとても優秀な担当編集の方に恵まれ、色々と教えていただきました。さらに営業面でもご尽力いただきました。有り難い限りです。

 

こうして、2018年7月から6ヶ月間かけて書き上げたのが本書です。
当初の想像以上で、かなり大変。(笑)
この半年間は朝から晩まで、原書と原稿と格闘し続けました。

おかげさまで書店を中心に売れており、「この内容を研修して欲しい」とのご依頼も企業様から何件かいただいております。

新商品を企画するポイントは、「実は皆が欲しいんだけど、ありそうで意外とないもの」であることを、今回改めて実感しました。

 

ということで、もしよろしければ周囲の方にも本書をお勧めいただければ、とても嬉しく思います。

 

 

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