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【こんなコラムを、毎週お送りします】
2015/8/18 『「当社の強みは製品」という考えは、危険です』
より

「お客様が買う理由」を作るためには、

 (1) まず自社の強みを考え抜き、
 (2) その強みを必要とするお客様が誰かを考え、
 (3) そのお客様はどのような課題を抱えているかを考え、
 (4) どのようにすればそのお客様が自社を選ぶかを、

考えることが必要です。

しかし「まず自社の強みを考えましょう」と提唱すると、こんな答えが返ってくることが少なくありません。

  「当社の強みですか?それは製品ですよ」

確かに、強い競争力がある製品を擁する企業様の場合、「自社の強みは、製品だ」と考え勝ちです。

しかし「製品」とは、自社が持っている何らかの「強み」を活かして、ターゲットの顧客の課題を解決するために生み出された「解決策」です。

言い換えれば製品とは、自社の強みを活かし、顧客の課題を解決するために生み出された結果です。

企業の強みとは、製品ではなく、もっと深いところにあります。


「企業の強み」について、富士フイルムの事例で考えてみましょう。


デジカメ登場前、カメラでは写真フィルムが使われていました。


この写真フィルム業界で長年、世界で圧倒的な巨人として君臨していたのが米国コダック。富士フイルムはコダックに挑戦し続け、2000年頃、ついに写真フィルム市場で世界の頂点に立ちました。

しかし皮肉なことにこの時期に、急速に普及し始めたデジタル写真によって、この写真フィルム市場の9割以上が消滅することがわかりました。当時の富士フイルムは、写真フィルムで売上のなんと6割、利益の2/3を稼ぐ屋台骨。これがわずか数年のうちに音を立てて崩れ始めたのです。

ここで行うべきことは、 富士フイルムの強みを活かし、数年以内に写真フィルム市場を代替できる新事業を立ち上げることです。しかし、富士フイルムの強みとは何でしょうか?

もし「富士フイルムの強みは、写真フィルム技術」と考えていたら、富士フイルムの未来はありませんでした。事実、巨人・コダックは、「コダックの強みは、写真フィルム」という考えから抜け出すことができず、2012年に倒産しました。


実は1970年頃、写真フィルムは白黒からカラーへと世代交代をしています。かつての白黒写真フィルムの時代は、写真フィルムメーカーは世界中に何百社とありました。しかしカラー写真フィルムに世代交代すると、それらの会社の多くは淘汰され、残った主なカラー写真フィルムメーカーは、米国コダック、独アグファ、コニカ、そして富士フイルムの4社だけになりました。白黒フィルムの製造技術の延長ではカラー写真フィルムを製造できなかったからです。三原色の微妙なバランスにより天然色を再現するカラー写真フィルムを製造するには、極めて高度な基盤技術が必要だったからです。


このように考えると、一見「コア技術」(=強み)と思われがちな写真フィルム技術は、実は「コア技術」ではなく、「コア技術」によって生み出された「製品技術」であることがわかります。

カラー写真フィルムを製造していたメーカーは、高度な基盤技術の集合体である写真フィルム技術を生み出すために、自分たち自身も十分に意識していなかなかった「コア技術」(=強み)を持っていたのです。

そして米国コダックが倒産したのは、その「コア技術」(=強み)を活かして新規事業を立ち上げることができなかったからなのです。

当時、富士フイルムのトップだった古森重隆社長は、技術開発部門のトップに対して、富士フイルムが持つ技術の棚卸しを命じました。1年半ほどして十数件の基盤技術が整理されました。そして富士フイルムがどのような技術を持ち、市場ニーズに対してどのような可能性を秘めているのかを評価していったのです。その上で、新たに挑戦する新規事業として6つの事業分野が選ばれ、それらの事業が急速に衰退していく写真フィルム事業を代替していったのです。


それら新規事業の一つが「メディカル・サイエンス事業」。

松田聖子さん、小泉今日子さん、中島みゆきさん、松たか子さんといった大物歌手や女優が登場する、赤を基調とした広告とパッケージが印象的な化粧品「アスタリフト」をご存じでしょうか?このアスタリフトは、富士フイルムが「メディカル・サイエンス事業」において立ち上げた新規事業なのです。


実は富士フイルムが持っている十数個の基盤技術の中で、化粧品市場に活かせる技術がありました。

1つ目はコラーゲン技術。写真フィルムはコラーゲンでできていますが、肌の張りを保つのにもこのコラーゲンは必要です。

2つ目は抗酸化技術。写真の色褪せを防止する抗酸化技術は、肌の老化にも有効です。

3つ目はナノテクノロジー。カラー写真フィルム技術で培ったナノテクノロジーを活用すれば、化粧品を肌になじませることにもできます。

化粧品市場でこれらの富士フイルムが持つ技術上の強みを必要とする顧客は、「シワやたるみ、日焼けによるシミ・くすみを防止し、肌の張りを瑞々しく保ち、いつまでも若々しい肌を保ちたい」という課題を持っている30〜50代の女性です。

そこで富士フイルムは、アンチエイジング化粧品として、このスキンケア商品「アスタリフト」を開発したのです。まとめると、次のようになります。(「魂の経営」(古森重隆著)を参照して作成しています)

(1)自社の事業
アンチエイジング化粧品

(2)自社ならではの強みは何か?
【コラーゲン技術】 フィルムのベース → 肌の栄養
【抗酸化技術】   フィルム色褪せ防止 → 肌の老化防止
【ナノテクノロジー】 フィルム微細加工 → 肌へなじませる

(3)その強みを必要とするお客様は、誰か?
30代〜50代の女性

(4)そのお客様は、何を必要としているか?
シワやたるみ、日焼けによるシミ・くすみを防止し、肌の張りを瑞々しく保ち、いつまでも若々しい肌を保ちたい

(5)お客様が自社を選ぶためには、どうすればよいか?
アンチエイジング化粧品「アスタリフト」を開発し、スキンケア商品として提供する


「自社の強みを見極める」「その強みを必要とするお客様を見極める」「そのお客様の課題を見極める」「お客様が自社を選ぶためには、どうすればいいか考える」……一見、何も目新しいことはありません。むしろ言い尽くされており、陳腐化している言葉、といってもいいかもしれません。

実は、真実は言い尽くされた言葉の中にあります。そして、この言い尽くされたことを実行しようとしない企業や人も多いのです。

米国コダックが破綻し、富士フイルムが生き延びたのも、富士フイルムが自社の強みを見極め、その強みを必要とする顧客と課題を見極め、リアルな顧客で検証し続けるという、「当たり前のこと」を愚直に実行したからです。

成功する人や企業は、言い尽くされたことを愚直に実行しているのです。


「魔法の絨毯」は存在しません。当たり前のことを当たり前に行うことこそ、王道なのです。



2015/8/18 『「当社の強みは製品」という考えは、危険です』より



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