本日の朝カフェで講演させていただきます。
今回は、パワーポイントを使わずに、A4の紙1枚を配布してお話しさせていただきます。
そう言えば、この10年間、パワーポイントを使わないプレゼンはほとんど記憶にありませんね。(笑)
TwitterやUstreamでライブ参加される方もおられるかと思いますので、配布資料と同一内容を下記に掲載致します。ご参考にしていただければ幸いです。
—(以下、資料)—
「会社員しかできない本の執筆術」
(永井孝尚、2011/12/14@朝カフェ)
この3年で5冊、2011年は3冊出版。会社員だからこそ書けた、本の執筆術
1.私は普通の会社員
・1984年新卒で日本IBMに入社、製品企画/セールス/開発、マーケティングを経験、現在に至る
・出版社のコネはゼロ。「いつか自分も本書ければいいなぁ」と漠然と考えていた、フツーの会社員
2.ビジネスパーソンの私が本を書くのは、なぜか?
・学生時代から写真活動。本気で写真家になろうと考えていた20代
・20代後半、プロの写真家の現実を知る。「写真が生活の糧」≠「写真は自己表現の手段」
・30代、生活の手段である仕事と、自己表現の写真を分けて考えるようになった
参考:メルマガ「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」(2004〜2005年)
・38歳(2000年)、多摩大学大学院で田坂広志先生に出会う 「仕事は作品=アート」
・アートとは何か?
林容子(アートマネジメント) 「進化するアートマネージメント」
「個人の考えや個性を表現する重要な媒体であり、精神を解放し、自由にしていくもの」
「作品を商品化せず、真に自分の創作活動を行いたいがために、あえて一般の職業に就き、作品の創作・発表をする人が増えている。」
村上隆(ポップアーティスト) 「芸術起業論」
「アートでは、コンテキストの構築が重要である」
コンテキスト=世界の事象の中で、自分のアートを関連付けること。論理の構築
・「社会の中で、仕事を通じ自己表現するビジネスパーソン=アーティスト」という考え方
「写真を通じて、自己表現」から、「仕事を通じて、自己表現」へ
・私にとって本の執筆=仕事を通じてコンテキストを構築し、自分の考えを表現する創作活動
3.ビジネスパーソンしか書けないことは、何か?
・10, 000時間理論=「鉱脈クラブ」 ビジネスパーソンの場合、それは日々の仕事
・「仕事が最高の学びの場」…不条理と矛盾の固まりの仕事を通じてしか、深く学べないことがある
・私のマーケティングの知識:仕事+本が95%。座学5%
・ビジネスパーソンは自分の経験を、本に書こう
仕事を持つビジネスパーソンは、非専門分野ではジャーナリストやライターにはかなわない。
しかし、自分の仕事の体験・経験・学びには、真実がある
・小エゴ(不満→愚痴)を拡張し、大エゴへ(不満→本質に向き合い社会に訴える)
・専門分野を拡げよう:T型→π型→蛸型→イカ型
4.ビジネスパーソンが出版するには、どのようにすればよいか?
・ジレンマ:執筆経験がないビジネスパーソンには、出版社は依頼しない
・幻想だった、「ブログを書いていれば、出版社から本の話が来る」
・ブログが書けても、本は必ずしも書けない。(1枚の素晴らしい写真 vs 写真展)
【課題1】不特定多数向けの文章力。→実は、会社員は有利。日々作る大量文書
足りないのは、不特定多数向に書く訓練:ブログを活用。できれば実名。退路を断つ
参考:「IBM ソーシャル・コンピューティングのガイドライン」 (検索してみて下さい)
【課題2】本を書く力の証明→だから、まず一冊書く。経験をためる
【課題3】自費出版は大変 (本質は、「一冊書くこと」)
①費用の壁→直接印刷会社発注(今はKDP)
②販売・配送の壁:アマゾンe託販売/KDP
【永井の試行錯誤】
2008年「戦略プロフェッショナルの心得」(自費出版)→本を書ける力の証明
2009年「朝のカフェで鍛える実戦的マーケティング力」(秀和システム)→初の商業出版
2011年「バリュープロポジション戦略50の作法」(自費出版)→英語版での電子出版前提
2011年「残業3時間を朝30分で片づける仕事術」(中経出版)→初の執筆依頼
2011年「100円のコーラを1000円で売る方法」(中経出版)→「朝カフェ」廃刊で全面書き直し
ひたすらPDCAを回すこと。学んだことを次に反映し、改善すること
5.しかし多忙な本業と限られた時間。どのように時間を捻出するのか?
・仕事と両立する唯一の方法は、生産性向上
・永井の場合、朝時間徹底活用(「朝30分仕事術」本業が多忙な5月、朝時間活用で11日で執筆)
知的作業の本質は、アイデア 「アイデアを生む方法」
TO DOリストと優先順位 = 「本当は必要ない仕事」と、「本当に必要な仕事」の見極め
コミュニケーション方法の見直し。段取り
6.会社との関係は、どうするか?
・会社には話を通しておこう(上司、広報、人事/労務)
・理由はトラブル防止:顧客・取引先の関係。勤務先の守秘義務・著作権の問題。就業規則
・社内にプロセスがあるかを確認。(例) 3つのプロセス
①社外著作講演届(ブランディング)
②社員自家営業(利益相反)
③著作権譲渡
7.出版社との関係を、どう考えるか?
・まずは企画書!【想定読者/読者の価値/VP →コアメッセージ、ストーリー概要。目次構成】
読者はお客様。「書きたいこと」ではなく、「読者が読みたいこと」を書く
「読者の成長を支援することを書くべし」(田坂広志先生)
企画書が書けない=読者にとって価値ある本を書く力は、まだない。まず力を付けよう
・どうやって編集者と知り合う?…知人の紹介、ソーシャルメディア、…..
・編集者はプロフェッショナルであり、読者代表。
「売れるために書くこと」の是非:本は媒体。自分の考えを伝えるのであれば、よきこと
・出版のリスクを取っているのは、著者ではなく、出版社
8.まとめ
・ビジネスパーソンだからこそ、自分の学びを本に書ける。継続すれば出版は可能
・一人一人のビジネスパーソンが自分の学びをもっと情報発信すれば、日本/世界を変えられる
—(以上、資料)—
会場で、あるいはTwitterやUstreamを介して、皆様にお会いできることを楽しみにしております。