連載5回目です。(前回はこちら)
【ありがちな勘違い】相手が話していることが分からない。でも会話はどんどん進んでいく
英語で話をしていて、意味がよくわからないことがよくあります。
「でも、質問したら失礼だよなぁ」と思っているうちに、相手の話はどんどん進んでいき、ますますわからなくなります。
多くの人たちが参加する会議だとなかなか質問しにくいですよね。
でもそんな会議などでは、周りの人たちは理解しているようで意見を言い合っています。
なんとな〜く感じる、「一人取り残された感」。
最後に「じゃぁ、これで進めますね。いいですか?」と聞かれます。「これ」が何かわからないまま、頷いてしまう。
こんな経験、ありませんでしょうか?
【どうしてそうなる?】「理解していない」ということは、決して察してくれない
前回は、「こちらが伝えようとすること」を察してもらえない話でした。
実は今回は、「こちらが理解していないこと」を察してもらえない話です。
前回も書きましたように、グローバルコミュニケーションでは、「相手が察する」ことを期待してはいけません。
理解していないことを察してもらえないのですから、質問するしかありません。
しかし、
「相手が話している最中に質問するのは、失礼じゃないですか?」
「会議でそんな質問するのは、恥ずかしい」
と思われるかもしれませんね。
実は自分が理解していないのに、相手に話し続けさせるのは意外と失礼なことなのです。
たとえば、日本人同士がこんな会話をしている状況を想像してみて下さい。
Aさん「(10分ほど話し続けて) 状況はこういうことなのですが、どう思いますか?」
Bさん「えーっと、あなたが何をおっしゃっているか、よくわからないんですけど」
もしあなたがAさんだったら、「わからないんだったら、わからない時点で、ちゃんと質問してよ」と思うのではないでしょうか?
海外の人も、同様に思うはずです。
【こうしましょう】わからない点を聞く
では、どのように質問すればよいのでしょうか?
それは明確にわからないことを尋ねることです。
■たとえば、直前に話したことがよく聴き取れなかった場合は、
Could you please explain that again?
(もう一度説明していただけますか?)
■具体的にわからない点がある場合は、
Please clarify ~.
(〜について明確にして下さい)
■相手の話が長くて、全体がわからなくなる場合もあります。そんな時に使えるフレーズもあります。たとえば問題点を話しているのであれば、
Could you summarize this problem?
(この問題点を要約していただけますか?)
また相手が気持ちよく説明してもらえるように、for usを付けるとgoodです。
Could you summarize this problem for us?
【参考までに】『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』。質問すると意外に親切に教えてくれます
文化人類学者のルース・ベネディクトは、著書「菊と刀」の中で、『米国は「罪の文化」に対して、日本は「恥の文化」である』と述べています。
「恥の文化」は、「おもてなし」に代表されるように、素晴らしい日本文化を創り上げてきました。
一方で、「恥ずかしいから」と、わからないことを「わからない」と言えないのは、グローバルコミュニケーションではマイナスに作用してしまいます。
日本にも、『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』という言葉があります。
勇気を持って、「わからないこと」を質問してみましょう。
いつも会話や会議で静かな日本人が質問すると、意外と相手は親切に教えてくれます。
【補足】
本記事は、日本IBM様が改善活動の成果物として公開している「テレコン英会話小冊子」に掲載されているp.11-12の文例を参考に、その背景を掘り下げてご紹介しました。
英語は81文で話せる
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