今でこそ私は、2006年から始めたブログを毎日書いていますが、私が初めてネットコミュニティを体験したのは、インターネットが一般普及する前夜の1994年でした。
DOSマシンから9600bpsのモデムを介してパソコン通信に接続していました。
ネットコミュニティへのデビューと同時に、私は某パソコン通信で写真会議室のシスオペを担当させていただきました。
現代ではTwitterやFacebookでのコミュニケーションは当たり前ですが、当時のコミュニケーションと言えば、対面か電話が主流。
文字だけのコミュニケーションというのは初体験であり、新鮮でもありました。
生まれて初めて「会ったことがない友人」が出来たのも、ネットコミュニティに参加してからでした。
距離の概念がないネットだと、離れていてもチャットで繋がります。大阪で写真関係のオフ会があることをネット上の友人から紹介され、夜間バスで神奈川県から出かけて、大阪で初対面、といった経験をしたのもこの頃でした。
当時はネットコミュニティはあまり一般的ではなく、かなり特殊な世界だったと思います。
その後1995年からインターネット上で写真のホームページを始めました。
ここでの、私の驚きは「写真が使える」ということ。ネットが文字だけの世界から、いきなり写真の世界になりました。
当時から私はライフワークで写真活動をやっていました。
インターネット登場前、写真を多くの方々に見ていただく方法は、写真展を開催することでした。お金が数十万円かかりますし、1週間の写真展を行うには1週間の休暇を取ることが必要でした。それでも見ていただけるのは多くて数千人。
ホームページに写真を掲載すると、同じ規模の人数の方々が24時間、世界中から見てくれます。当時は英語のホームページも作っていましたので、訪問者の半分は海外でした。私が仕事中でも、皆さんはネットで作品を見て、感想をメールで送ってくれます。
写真展では考えられないことでした。
1990年代中頃、私はネットコミュニティの威力をまざまざと実感しました。
もうそれから20年近くが経ちました。多くの人達にとってネットは既に生活の一部です。私もネットなしでは色々なことに支障が出るようになりました。
その一方で、私が1990年代中頃に初めて体験したことは本質的に変わっていないように思います。
ネットでの様々な経験や出会いがなければ、会社員を続けながらの執筆活動も実現できませんでした。
この20年間で、ネットコミュニティが自分のライフスタイルを大きく変えていることを実感します。
私もニフティの頃からやってますが、議論をしたり何かを深く掘り下げるとかは昔の方がはるかに良かったように思えます。
現在も検索である程度は調べられますが、今度は真偽の確認が必要となっています。
写真や動画など大変便利にはなりましたが、何かを失ったようにも思えてしまいます。