「安かろう、悪かろうのLCCは時代遅れ」


「格安航空会社」とも言われるLCCは、1970年代に米国で生まれました。1967年に設立され1971年に就航したサウスウェスト航空はその代表格。それから40年以上経過し、今、数多くのLCCが生まれています。

そしてともすると、「LCCは価格勝負に陥っている」とも言われます。

実際のところ、どうなのでしょうか?

 

週刊東洋経済 2015/3/21号の記事「この人に聞く ピーチ・アビエーションCEO 井上慎一 安かろう、悪かろうのLCCは時代遅れだ」で、井上CEOが次のようにおっしゃっています。

—(以下、引用)—-

LCCの事業モデルを日本流にカスタマイズした。原則としてLCCは払い戻しに応じないが、それでじゃお客様に対して愛がない。そこでチケット代金の10%分を支払えば、一定の条件下で全額を補償する保険をつけた。また、LCCは払い戻しには機内エンターテイメントがない。そこでお客様のスマートフォンなどに、事前に映画や音楽をダウンロードし、機内で楽しめるようにした。

—(以上、引用)—-

 

「なるほど」と思いました。

前者は、払い戻しに応じつつ、ちゃんと収益が出るモデルにしています。

後者は、搭乗客のスマホを画面として使うことで、テレビを各席に装備するコスト増を避けながら、実質的なサービス強化を図っています。

知恵を出して、価値を生み出しておられます。

 

では、なぜこのようなチャレンジが必要なのでしょうか?

井上CEOはこの問いについても答えておられます。

—(以上、引用)—-

……われわれも機材繰りなど基本的なプラットフォームは従来のLCCモデルを踏襲している。それに加えて何か「おもしろいこと」が必要だ。お客様の期待が世界的に変わりつつある。

—(以上、引用)—-

 

お客様の期待は、常に変わっています。

それはLCCに限らず、全てのビジネスでも同様です。

だからこそ現状に留まらず、常に頭に汗をかき、自社の強みを意識しつつお客様から学び続け、価値向上を図っていくことが大切なのだと思います。