「お客様が買う理由を、いかに作るか?」というテーマで講演した後の質疑応答で、こんな質問をいただきました。
「紹介事例は消費者向けばかりですが、当社は法人向け事業です。『お客様が買う理由』は、法人向けでも同じように使えるのでしょうか?」
結論から申し上げると、使えます。
むしろ消費者向けビジネスよりも、法人向けビジネスの方が、効き目は強くなります。
私が提唱している『お客様が買う理由』は、このように考えていきます。
(1)自分たちの強みは何か?
(2)その強みを必要とするお客様は誰か?(ターゲット顧客)
(3)そのお客様は何を必要としているのか?(顧客の課題)
(4)そのお客様が私たちから買うためには、何が必要か?(解決策)
講演では、主に消費者向けビジネスを事例に取り上げて、いかにこの『お客様が買う理由』を作るかを考えていきます。
消費者向けビジネスを事例にしているのは、誰にとっても身近でわかりやすいからです。
実際には、法人向けビジネスの方がより確実に成果を挙げることができます。
消費者向けビジネスの場合、必ずしも合理的な判断で買うとは限りません。時として情緒的なことも大きく影響します。
一方で法人向けビジネスの場合、買うかどうかは合理的に判断した結果であることがほとんどです。
私は日本IBMに30年間勤務してきたので、長年法人ビジネスに関わってきました。常に「Why IBM」(なぜお客様がIBMを選ぶのか?)を考えてきました。「お客様が買う理由」(バリュープロポジション)は、この中で学んだ考え方です。
法人向けビジネスこそ、お客様が本当に困っている課題を特定し、私たちしか提供できない解決策を提供することで、『お客様が買う理由』を創り出すことができれば、成功する可能性は高いのです。
そして消費者向けビジネスでも、法人向けビジネスでも、お客様の課題を理解することが出発点なのは、同じなのです。
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