たった一つの悩み事への対応が、「お客様が買う理由」に繋がる


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講演の後、こんなご質問をいただきました。

「実際に当社のケースを考えても、『お客様が買う理由』は色々と考えられます。
ひとつひとつ対応しなければいけないんでしょうか?」

確かにお客様のニーズには実に色々なものがあります。考え始めると、それこそ無数にでてきます。

お金も人も無限にあるわけではないので、無数にあるニーズに対応するのは不可能です。

 

ここで事例をご紹介します。米国のレンタカー業界の事例です。レンタカー業界はそれなりに成長はしているものの、ライバルのカーシェアリングが急成長していて、厳しい状況です。

レンタカー業界の視点で考えると、お客さんの色々な不満が考えられます。

・もっと車種を増やして欲しい
・もっと安くして欲しい
・もっと接客を丁寧にして欲しい
・….

こんな様々な不満の中で、切実なお客さんの不満がありました。

米国で出張するビジネスマンは、都市間を飛行機で移動し、空港に着陸するとレンタカーを借りて目的地へ移動します。

ここで問題になるのが、レンタカーを借りる際の手間と時間です。

空港からレンタカー事務所に立ち寄る
→ブースに並ぶ
→契約や保険内容を確認する
→免許証で本人確認をする
→色々な書類にサインする
→カギを受け取る
→車がある場所まで移動する…

これだととても時間がかかります。米国ビジネスマンも忙しいので、約束の会議の時間もあるので、気が気ではありませんよね。

 

米国レンタカー業界の老舗・ハーツは、「この手間を一気に簡略化すれば、お客様の不満を解決できる」と考えました。

そこで、

ネットでレンタカーを予約する (事前登録前提)
→空港に到着し、レンタカー事務所を素通り。駐車場に直行する
→駐車場脇の掲示板で自分の名前と駐車場番号を確認する
→鍵のかかっている車に乗り込む
→専用ゲートで係員に免許証を見せて確認すれば、駐車場を出られる

というようにしました。

ほぼ自分の車を使うのと同じ感覚です。

多忙なお客さんから見ると、貴重な時間も手間も大きく削減できるのはとても有り難いことですね。

 

見極めるべきポイントは、「お客様が本当に困っていて、少々高くてもいいからお金を払って解決したい」という課題を見つけることです。ではこのようなニーズを見つけるにはどうすればよいのでしょうか?

この事例は、日経ビジネス2016/10/10号の特集「顧客を依存させる 凄い囲い込み」に掲載されていた事例ですが、このシステムを担当したコンサルティング会社の社長は、このように言っています。

「レンタカーサービスで顧客が本当に喜ぶことは何かを突き詰めた結果、車種の拡充でも低料金化でも丁寧な接客でもなく、貸出手続きの簡素化以外にない、という結論にたどりついた」

ただ考えるだけでも、あるいはお客様に聞くだけでは、この答えは出てこないのです。

仮説を考えて、その仮説を持ってお客様に検証していく。

この繰り返しが必要なのです。

 

 

 

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