New York Timesは10年かけてサブスク・シフトした



一時期、こう言われていました。

「新聞業界は死ぬ。オンラインニュースは無料だ。現代人はコンテンツにお金を払わない」

現実には、2019年に日経電子版の購読数は2019年に70万人を超えました。
かく言う私も、数年前から日経は電子版で読んでいます。紙の新聞は嵩張るので配達は止めました。

考えてみれば「オンラインは無料、紙は有料」というのは変ですよね。

また無料オンラインニュースは広告で稼ぎますが、「広告にうんざり」という人が多いのも現実。

もともと新聞は、紙の時代から売上の過半が広告でした。
しかし広告はどうしても景気に左右されます。

5月上旬、私は日経夕刊を見てショックを受けました。
広告の数が激減しているのです。この日、広告は合計6件。1ヶ月前(4月上旬)の夕刊では、合計14件でした。
コロナ禍で広告の仕事は真っ先に削られているのが現実です。

ここで参考になるのが、New York Timesの挑戦です。
2007年、New York Timesも広告売上の激減に直面。そこでサブスクリプション(サブスク)モデルへの変革を進めてきました。
図はNew York Timesの過去の決算発表を元に集計した結果です。先日5月6日発表の2019年度決算も反映しています。

この12年間で、不安定な広告売上比率は59%から29%に半減する一方で、サブスク売上比率が33%から60%に増加しています。

サブスク・シフトは収益は安定します。New York Timesでは、年初に年間売上の6割を確保した状態でスタートできます。
ビジネスモデル上は、New York Timesは新聞社というよりも、収益が安定しているSaaS企業と言えるのかも知れません。

一方でサブスク・シフトには時間がかかります。
またサブスク・シフトで一番悩ましいのは、売り切りから定額制に変わることで、売上が一時的に落ちることです。

このように考えると、コロナ禍で需要が蒸発している今はサブスク・シフトに挑戦する絶好の好機なのかもしれません。

(なお、次回6月3日の朝活永井塾は、このサブスクのテーマを掘り下げます。今回はZoomで開催します)

 

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