朝活永井塾 第84回 「骨太なビジネス思考が身につく『カント哲学』」を行いました


2月7日は、第84回の朝活・永井塾。テーマは「『骨太なビジネス思考が身につく『カント哲学』」でした。

カント哲学は超難しいことで有名です。カントの代表的な著書「純粋理性批判は、本書は『原稿を読んだ友人が「難し過ぎてムリ」と送り返した』という逸話があるほど超難解で、上下巻1000ページとものすごく分厚い本です。

しかし学術的なことからいったん離れて「自分がビジネスで様々な判断をする際の拠り所にしよう」と考えながら接すると、そのエッセンスは意外とシンプルですし、骨太なビジネス思考が身につくのです。

カントは「理性とは何か」を考え抜いた人でした。そして、その延長線上で倫理学も考えました。

カント曰く、善悪を判断する基準は「あなたの自分ルールが、他のすべての人にとっても正しければ、OK。自分だけが例外の自分ルールだとしたら、それって単なるズルですよ」と言っています。このような主観的な行動原理を、カント倫理学では「格律」と呼びます。

また世の中には「ウソをつくとバレるから、ウソはダメだ」と考える人がいますよね。カントいわく「これはNG」。「バレなければウソをついてもいい」と考える人が出てくるからです。最近の日本企業で多発する不祥事も、元を辿ればコレですよね。

さらに「評判が落ちないようにコンプライアンスに取り組む」という企業でありがちな考え方も同様です。「評判が落ちなければコンプライアンスは適当でいい」になるからです。

「道徳の基準は一切条件なし」と考えるカントは 仮言命法と定言命法という考え方を提唱しています。

【 仮言命法】「もし○○○したいなら、□□□せよ」と条件付きで、道徳法則を表現したもの
【 定言命法】「□□□せよ」と条件なしで、道徳法則を表現したもの

そしてカントは「道徳的に正しいのは定言命法だ」と言っています。

コンプライアンスの本質も、シンプルに「悪いことは、悪い」なのです。

たとえば一切の条件抜きで「より美味しいお酒をお客様に届けたい」と考える、獺祭で有名な旭酒造は、この純粋な想いを原点にして、ありとあらゆる常識を乗り越えて、業界全体が30年間で1/4に縮小する中で、売上が100倍になりました。

カント哲学と倫理学を実践することで、あなたのビジネスには底力となる「哲学」が宿り、ビジネスは骨太になるのです。

たとえばあなたの周りに「アイツ、ブレないなぁ」という人、いませんか? カント哲学と倫理学を実践すれば、あなたもそういう人になれます。

そこで今回の朝活永井塾では、下記の本をテキストに、「ビジネスに役立てる」という切り口で、カント哲学を誰にでもわかりやすいように噛み砕いて学んでいきました。

『純粋理性批判』カント著、石川文康訳
『自分で考える勇気 カント哲学入門』御子柴善之著
『カント入門』石川文康著

ご参加下さった皆様、有り難うございました。

【プレゼン部分】

またリアルタイムに参加できなかった方々には動画配信をお送りしました。

次回・3月6日(水)の朝活勉強会「永井塾」のテーマは「余裕の仕事術が学べる ゴールドラット著『ザ・ゴール』」です。申込みはこちらからどうぞ。