自社オーダースーツ+革靴で、槍ヶ岳縦走に挑戦する社長の話


写真はhttps://youtu.be/dJ5R0bUKy5gから引用

以前、ある有名な老舗オーダースーツ屋さんの関係者から聞いたお話です。ここは100万円を超える高価格なことでも有名なお店です。 

「価格ですか? お客の顔を見て決めますね。お金持ちそうだったら当然、高く取りますよ」 

この話し、あなたはどう思いましたか?

私はお話を聞いていて(こういう姿勢って、一体どうなのかなぁ)と思いつつ、(この店では、自分はスーツは作りたくないなぁ)と思いました。

オーダースーツって本当に適正価格なのか、疑いだしたらキリがありません。

そんなことを常々考えていたら、こんな動画が話題になっていました。

【登山】オーダースーツで槍ヶ岳に登ってみた【オーダースーツSADA】【さだ社長】

槍ヶ岳は、飛騨山脈にある標高3180mの山です。先が尖っているので「槍」の名がついています。切り立った稜線と足場の悪いガレ場が続く超難関コースです、時々、滑落事故で死亡者が出ます。私もたまに山登りをしますが、「槍ヶ岳は絶対ムリ」と思ってますので、絶対に寄りつきません。

しかし動画の「さだ社長」は、なんとビジネススーツ+Yシャツ+ネクタイ+革靴+ビジネスバッグというお姿で、ふもとの上高地を出発し、槍ヶ岳の山頂に到達。さらにその先にある奥穂高岳、さらに西穂高岳の縦走に挑戦しているのです。

私はその一番最初のポイントである涸沢ヒュッテまで登ったことがあります。この初心者コースでも、こんな格好ではとてもムリです。

しかし「さだ社長」は、この通勤姿で、並みいる完全装備の登山者を次々と追い越して難所もすいすい登ります。凄い身体能力です。

この「さだ社長」、1961年創業の「オーダースーツSADA」の社長で、その前進である服飾雑貨卸商から数えて4代目です。

なぜこんなことをやっているかというと、「SADAのオーダースーツの耐久性と運動性を確認するため」だそうです。

この動画の最後で、一通り縦走を終えた西穂高山荘の前で「さだ社長」は、こう語っています。

「どうですか? 見てください。このままビジネスミーティングに出られるレベルを維持できていると思いませんか? SADAのオーダースーツは槍ヶ岳、穂高岳、西穂高岳を縦走しても大丈夫です! 以上です!」

実際に自社のオーダースーツを着て、難所の縦走に挑戦し、見事クリアしています。なかなか凄い説得力です。

ちなみにSADAのオーダースーツは、「良いものを適正な価格で市場に提供する」ことを目指して、19,800円からオーダーできるそうです。

そのためにお客さん一人一人のパターンを起こして、CAD上でパターンを設計して、職人のハンドメイドではなくマシーンメイドでフルオーダースーツを作れるようにしています。

サイト上の「有名人お仕立て実績集」には、元首相の菅義偉さんをはじめ、スポーツ選手、芸能人等、様々な人が掲載されています。

現代のマーケティングコミュニケーションは、20年前と比べて大きく変わり、「ありのまま正直かつ誠実に伝えること」が重視されるようになりました。

その理由は、現代では「ウソはいつか必ずバレる」からです。

ネットが存在しなかった20世紀までは、企業は情報をある程度は隠蔽できました。だから消費者と企業に間には情報格差がありました。この情報格差を「情報非対称性」とも言います。

しかしネットやSNSが普及した今、情報格差=情報非対称性は消滅しました。

これまで隠蔽し続けられてきた情報でも、社内で(これってどうなのかなぁ)と疑問を感じた正義感ある社員や取引先によって、いつの間にか社外に漏れたりします。最近の企業の不祥事って、このパターンが多いですよね。

そしてウソがバレると、企業が長年かけて築き上げたブランドは、大きく崩壊します。

自社オーダースーツを着て槍ヶ岳を縦走する「さだ社長」は、このことを身体で完璧に理解していると思いました。

現代のマーケティングコミュニケーションで必要なのは、「過度に盛る」ことではありません。「正直に、誠実に、ありのまま伝えること」です。

あなたの会社のマーケティングコミュニケーションは、正直、誠実で、ありのまま伝えているでしょうか?

    

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