焦げた餃子から学ぶ、
SNSネガティブ投稿への対応

お客様からの苦情は、本音を言うとできれば「見なかったことにしたい」ですよね。しかも最近は、お客様の苦情がSNSでどんどん可視化されていきます。

かつてまさにこんな状態に陥ったのが、味の素冷凍食品の「ギョーザ」でした。

ちなみに先日、私は味の素冷凍食品のギョーザを買って、調理してみました。

なかなかのスグレモノで、袋から出してそのままフライパンに乗せれば、油・水なしで、誰が調理しても簡単にパリッパリの薄皮ジューシーな焼き餃子ができます。

この味の素の焼き餃子、SNSで叩かれたことがあります。

SNSで、餃子で焦げ焦げになったフライパンの写真とともに、Xでこんな投稿がされたのです。

「油いらないって ‼ ‼ 書いてたじゃん‼ ‼ ‼ 嘘つき  ‼ ‼ ‼」

こんなSNSの投稿に対して、「味の素冷凍食品【公式】」はこんな投稿を返しました。

「大変勝手なお願いでご面倒をおかけいたしますが、このたび調理にご使用いただきましたフライパンを、着払いにてご提供いただけないでしょうか? 焦げ付いてしまうフライパンの状態を確認させていただき、研究・開発に活用させていただきたく考えております。」
 

こうして味の素冷凍食品は、消費者から餃子が張り付いたフライパンを合計3,250個提供を受けました。そしてフライパンに焦げ付かないように開発して、2024年4月に発売したのが、どんな餃子にも張り付かない冷凍餃子です。

(以上、テレビ東京ワールド・ビジネス・サテライト 2025/3/6放送を参考)

この取り組みは素晴らしいですね。

お客様からの苦情は、そもそも対応が厳しいものです。
しかもSNSのネガティブ投稿は、他の見込客も見ています。
どう対応すべきか、本当に悩んでしまいますよね。

しかし多くの場合、投稿主には悪意はありません。むしろ私たちの商品・サービスで迷惑を被っていて困ってます。

そしてこういった生々しい声は、本来。企業にとってはお金を払ってでも聞くべき情報です。顧客の本音が詰まっているからです。

もちろん中には単なる誹謗中傷だったり、的外れなものもあります。でも多くの場合、自分たちの商品やサービスを大きく改善するヒントが詰まった、宝の山なのです。

全てのケースでこのような対応は難しいかもしれませんが、こういったお客様の声は、商品やサービスを改善する上で大きなヒントです。

加えてSNS上でのこうした真摯な対応は、「味の素冷凍食品は、顧客の声に真摯に対応する会社である」というブランド認知も高めています。

お客様からいただく厳しい苦情も、このように視点を変えて眺めてみると、全く違って見えるのではないでしょうか?

ところで、ここでご紹介した「味の素冷凍食品【公式】」の元ポストは話題になったようで、表示件数は275万件、いいねは1.3万件、リツィートは1万件もあります。

しかし元の「嘘つき‼」と書いたコメントは、コメント主が削除しています。

これは想像ですが、本人が想像もしないレベルで大きな話題になったことで、ネット上で他ユーザーから色々と反応があったのかもしれませんね。その中には心ない中傷もあったかもしれません。(あるいは単に驚いて本人がさくじょしただけかもしれませんが…)

最近になって、SNSのネガティブな面がクローズアップされています。

SNSも大きな曲がり角に来ているのでしょうね。

 

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