(社)日本情報システム・ユーザー協会が4月5日に「ユーザ企業IT動向調査2006」を発表しています。
IT市場を企業ユーザーの観点で理解する上で参考になる資料です。
私が興味を持った点を紹介します。
現在、IT投資において重視する点は「業務プロセス・システムの再編」となっています。2年前は「経営トップによる迅速な業績把握、情報把握」や「コスト削減」が高い優先順位でした。
つまり、この1-2年で企業のIT投資目的が明確に変化しています。さらに、再構築に直面している企業は8割を越しており、大企業ほど再構築が進んでいます。
また、「ITを活用した業務改革」は、経営トップと利用部門がIT部門に求めている最優先の企画提案であり、IT部門自身もこれを認識しています。業務プロセス再編をITを活用していかに変革していくか、が全社的な最優先課題ということですね。
このことは、最も一般的なCIOが「取締役でIT業務経験なし」である、という調査結果にも現れているように思います。経営戦略や業務をよく理解している経営者が、ITを活用して全社変革を陣頭指揮している状況が浮かび上がってきます。
昨年、ガートナー・ジャパンの日高社長とお話した際、「最近は業務経験が豊富でビジネスを知っている方々がCIOに就任されることが多い」ということを伺いましたが、この流れは定着しつつあるのではないでしょうか?
ところで、再構築前は独自開発が76%を占めていたのが、再構築後は33%に激減し、パッケージの積極採用に移っています。再構築はパッケージベンダーにとって大きな商機ということですね。
ご参考までに、こちらで詳しい資料をご覧になれます。