昨日(4/27)の日本経済新聞に、「エコノ探偵団 アマ管弦楽団なぜ増える」という記事がありました。
「なぜアマチュア管弦楽団が増えているのか?」という問いに対して、この記事では、以下のように分析しています。
■自治体からプロの管弦楽団への支援が少なくなった
⇒プロの管弦楽団は、収益確保のために演奏会をより多く行わざるを得なくなった
⇒かつ、アマチュアに対するサービスレベルも上げた
⇒かつ、のだめ等が流行り、人々のクラシック音楽志向が増した
⇒この結果、刺激された人達が、アマチュア管弦楽団に入団するようになった
まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」といった構図でしょうか?
国や自治体の支援を打ち切ったことが、草の根レベルでの文化振興と活性化に大きく役立っている、というのは皮肉な結果です。
考えてみれば、このように国の支援が行われずに自助努力を求められた結果、奮起を促し、活性化する、というケースは思いの他多いように思います。
逆に、国の支援漬けで競争原理が働かずにぬるま湯的な市場になってしまい、その分野全体が不活性化してしまうケースがいかに多いことか。
そのうちグローバル競争に巻き込まれて、ぬるま湯が徐々に熱くなっていても気が付かず、耐えられない熱さになって初めて対応に追われたりします。まさに茹で蛙状態ですね。
……グローバル競争の話に脱線しそうになったので、話を修正します。(^^;
記事にもあるように、アマチュア楽団が増えているのはプロの管弦楽団の努力の結果、というのも確かに一面あると思います。
一方で、実際に音楽を始める人の動機については、「のだめ」の影響以外にも、もう少し分析が可能なようにも思います。
例えば、私が事務局を担当している合唱団では、入団を希望する見学の方々が、毎週いらっしゃいます。
見学に来て入団される方々にお話しを伺うと、
■動機は、本物のクラシック音楽で、自分自身で自己表現をしたいと思ったこと
■HP上にある合唱団の活動を見て、運営がしっかりしていると思ったので、見学を申し込んでみた
■さらに、土曜日の午後と夜に練習が集中しているので、仕事と両立できると考えた
という方が多いようです。
バブル後の15年間が過ぎ、社会も成熟し、「本物とは何か?」が分かる人達が増えてきているように思います。
このような中で、全ての人達がクリエーターとなり、自己表現をする社会に進化しつつあるのではないでしょうか?
言い換えれば、「一億二千万人総アーティストの時代」です。
このように自己表現ができる場をより多く創造することで、日本はさらに素晴らしい国になるのではないか、と個人的にも思っておりますし、願っています。