前回、主に写真関連を中心に、書籍を出版するための試行錯誤について書きました。
今回は、共同執筆のアプローチについて書きます。
その後、オルタナティブ・ブログに参加させていただき、主にビジネス関連の話題について投稿するようになりました。
よく、ブログを書いているうちに出版の話が来た、という話を聞きますが、実際には出版の話は来ませんでした。
やはり「ブログを書くと、出版の話が舞い込む」というのは、才能がある一部の方に限った話なのでしょうか?
そんなとき、「なぜ、新製品が売れないのか?」というエントリーを書いた際に、けんじろうさんから、「とてもためになるので、本でも出しては?」というコメントをいただきました。山口さんからも同様のコメントをいただきました。
これはやはり嬉しかったですね。
やりとりを行っているうちに、「共同出版という方法もあります」という話になりました。
確かに、オルタナティブ・ブログでは、マーケティングの専門家がたくさんいます。
「マーケティングのテーマで、複数ブロガーで共同執筆する提案を出版社に行うと、もしかしたら、出版の話も通るかもしれない」
と思い、けんじろうさんはじめ、数名の方にお声を掛けさせていただきました。
たいへんありがたいことに、皆さん、賛同いただきました。
5-6名が集まり、全体の章立てとテーマ、担当するブロガーの方を仮決めし、「そろそろ開始かな」と思った頃、ある方からアドバイスをいただきました。
・人数が多いと、単なる寄せ集めになってしまう危険性あり。
・少人数に絞って、しっかりベースラインを決めるべき。
舞い上がっていた頭を、「ガーン」と殴られたような感じでした。
確かに指摘の通り、書籍のように、一つのテーマに収束させて読者にアピールするモノを作る場合、プロジェクトの人数が増えることは必ずしも有利ではありません。
「人数を絞ってテーマを決める」アプローチを取った場合、この方針が受け入れられるのかどうかは未知数です。
しかし、そもそもお互いに対等であるブロガーのコミュニティで、トップダウンでテーマを決めるのは合いません。
テーマについて意思統一を図るためには、オフラインで何回かブレインストーミング的なことを行った上で、方向性について腹に落ちるようにする必要があります。
なぜなら、各メンバーのクリエイティブな成果を集め、かつ、それらがお互いに相乗効果を持つようにする必要があり、このためには、各メンバーが心から納得した方針を合意した上で進める必要があるからです。
しかし、お声をかけたブロガーの皆様は、マーケティングについて非常に深い洞察をお持ちであることは間違いないのですが、みなビジネスバックグラウンドが異なる方々です。
しかも皆様、きわめて多忙です。
まず、意思統一が図れるのだろうか?
いや、そもそもきわめて多忙な方々が、オフラインで何回も会うことが可能なのだろうか?
自分の考えの甘さを痛感しました。
本来、少々困難があっても進めるべきだったかもしれません。
しかし、本を書くだけでも大変なのに、さらにその上にある課題は山積みです。
「この問題、どのように解決しようか?」
「忙しいのに巻き込まれる方々も迷惑ではないか?」
「そもそも、このようなことの調整で時間を使うのであれば、各自が自分達で書いた方が速いのではないか?」
と考えているうちに、時間が過ぎていき、残念ながらこの話も立ち消えになりました。
ものを書いて食うための環境として「Amazon Kindle+Twitter+リアルイベント」が大きなポテンシャルを持つというお話(中)
Kindleを使った個人出版の世界に入って行くことは、従来型の書籍流通からの離脱