私の勤務先のIBMは、IBM社員が勤務先がIBMであることを明示した上で、ブログを書くことを推奨しています。
一方で、社員に勤務先名を出してブログを書くのを禁止している会社も、かなりあるようです。
今更言うまでもなく、インターネット上では、消費者は膨大な口コミ情報から必要な情報を入手できるようになっています。
このような状況で、消費者は企業から一方的に流される情報に判断を左右されなくなってきています。
では、誰からの情報に影響されるのでしょうか?
ある調査によると、それは「自分と同じ人」だそうです。
つまり、消費者が商品を買う場合に一番影響されるのは、自分と価値観を共有できる人、という意味です。
私の場合、商品を買う場合、口コミサイトで評判を調べたり、質問をしたり、ということを必ず行ないます。実際、そういう人は多いと思います。
しかし、口コミはまさに社会の縮図と言っていいくらい、色々なものがあります。
そんな有象無象の口コミの中で、「自分と同じ価値観を持っていると思われる人の意見を参考にする」ということは、我々も普段行っているのではないでしょうか?
つまり、どれだけ共感できるか、ですね。
「法人」と「個人」という言葉があります。
企業が行なう伝統的なコミュニケーション手法の多くは「法人」の顔で行なわれます。
TV CM、広告、ダイレクトメール、ウェブサイト、イベント、等々、みんなそうです。
一方で、ブログは個人の感情や喜怒哀楽が自然に出てきます。
ブログは「個人」の顔で行なわれるコミュニケーションなのです。
そして現代、消費者は無意識に「共感できること」を求めています。
共感というのは、個人と個人の間で起こるものです。
ブログでは、そのような共感を伝え、異なる価値観を共有することができます。
そして、イノベーションは、価値観の異なる人とのコラボレーションを通じて生まれることも多いのです。
ブログは、これらを創発するための素晴らしい手段です。
一方で、社員が自由にブログを書くようになると、リスクも発生します。
リスクを最小限にするためには、ガイドが必要です。
参考までに、IBMでは、ここに書いたようなガイドラインを社員に出しています。
考えてみれば当り前のことばかりですが、企業で社員ブログを検討している方は、参考になるかもしれません。
日本企業は、どこまで社員を信頼できるだろうか
永井さんの「なぜ、企業は社員にブログを書くことを推奨すべきなのか?」というエン