この三日間、オルタナブロガーの大木豊成さんとのインタビューをお送りしました。
■ビジネスパーソンの出版戦略:大木豊成さんインタビュー(その1)「企画に3ヶ月かけた2冊目の本」
■ビジネスパーソンの出版戦略:大木豊成さんインタビュー(その2)「実名ブログを書くと、出版する力がつけられる」
■ビジネスパーソンの出版戦略:大木豊成さんインタビュー(その3)「企画書を書こう!」
当インタビューは今年2月に行いましたが、その5ヶ月後の今年7月、大木さんは3冊目の本「iPad on Business」を出版されています。
大木さんインタビュー連載期間終了の昨晩、この新著を読了しました。
大木さんご自身、本書について、「iPadの解説書ではなく、あくまでビジネス活用の観点で書いた本」と説明して下さったことがあります。
やはりビジネスパーソンが本を書く際の強みは、自分自身の専門領域について書く場合なのだ、ということなのでしょう。
その理由は、多くの場合、その領域では自分自身が第一人者であるからです。
大木さんが経営されている会社も、スマートフォン法人導入コンサルを提供なさっています。
この本では、iPadを企業で活用する意味を、豊富な事例やインタビューも活用しながら、とても分かりやすく具体的に伝えています。
私が興味深いと感じたポイントは下記の通りです。
■パソコンでできること全てをiPadでやろうとしないこと。
iPadでは、パソコンでできることはほとんどすべてできますが、すべてをやろうとしないほうがいい、ということです。
iPadではメールの閲覧、資料修正、編集、インターネットの閲覧など、外出時に必要なすべての作業を軽快にこなることができます。
一方でマクロを駆使した表計算を作ったりすばらしい表現のプレゼン資料を作ったりするのは、向いていません。
iPadが発表された日、スティーブ・ジョブスはiPadを「ノートパソコンとモバイルフォンの間に位置付ける」という意味が、こんなところからも理解できます。
■クラウド情報端末としてのiPad
iPadの記憶容量は、16GB/32GB/64GBと、比較的小容量です。
「パソコンは、最低300GBはないと」と考える私にとっては、とても小さい容量です。
しかし、iPadはパブリッククラウドサービスを使い、ネットワーク経由で「むこう側」にある必要な情報をその都度取り込んで活用する、クラウド情報端末(=一種のシンクライアント)なのだ、との説明を読んで、その理由とiPadの思想がハラに落ちました。
大木さんは、「iPadを使い始めてワークスタイルが一変した、例えば取引先から驚くほど返信スピードが速いと評価され、労働時間もかなり圧縮された」、と書かれています。
実際、大木さんとメールのやり取りをすると、その返信スピードの速さに、いつも驚かされます。
このようなツールを活用することでワークライフバランスを実現できるのであれば、本書でも述べられているように、私たちはiPadでできることを具体的にどのように活用すべきなのか、考えていく価値があると思います。