日経ビジネスオンラインで、谷島宣之さんが「外資系に勤めるとなぜ“右傾化”するのか 欧米流と日本流、2つのやり方、考え方の板挟みになり…」という記事を書かれています。
この記事の最初に、ある日本のIT企業社長の発言が紹介されています。
「アメリカの企業でずっと仕事をしてきますと、愛国心が強くなってくるのですね」
私は外資系勤務26年目ですが、私はあまり自分が右寄りの考え方である認識はありません。
しかし、自分が日本人であることと、欧米人と日本人の違いは、日々意識させられます。
谷島さんは、「外資系勤務のビジネスマンが愛国心を発露する姿勢には3通りある」とおっしゃっています。
1つ目:「このままでは日本はダメになる。もっとしっかりしてくれ」というケース
例えば、外資系で普通に聞かれる次の質問に、日本企業の経営者が答えられない事例が紹介されています。
「どういう顧客セグメントに売るのですか」、「売るためのシナリオはどうなっていますか」、「シナリオ通りに進んでいるかどうかをどうやって確認しますか」、「シナリオ通りに進まなかった時、どう手を打ちますか」。
このことを嘆息していた外資系企業の社長は、退職して日本企業を支援する仕事に就いたそうです。
2つ目:「自分は欧米と日本の長所短所を知っている。両国の間に入り、欧米と日本を結びつける仕事をして、日本の役に立ちたい」というケース
3つ目:欧米本社の幹部と長年やり合っているうちに疲れてしまい、「白人は嫌いだ」などとつぶやくようになるケース。ただし、欧米本社の凄さを熟知しているので国粋主義には至らない。
なるほど、確かに周りを見ていて、この3つに分れるなぁ、と実感します。
私の場合、どちらかというと、最初は1つ目の考え方でしたが、徐々に2つ目の考え方に変わってきました。
ただ、恐らく3つ目にはならないと思います。
欧米社会と日本社会の考え方に戸惑う原因は、以前当ブログのこちらのエントリーで書かせていただいたように、コミュニケーションのスタイルが違うためです。
一言で言えば、弁証法をベースにロジックで議論をたたかわせて意志決定していく欧米社会と、和を以て貴しとし空気で意志決定していく日本社会の違いです。
弁証法で議論している世界でビジネスをしていくためには、やはりこちらも弁証法の手法を学び、実践していくことが必要だと思います。(なかなか厳しいですが)
さらにできれば、この弁証法的な考え方と日本的な考え方を、弁証法的アプローチで止揚していければいいですね。
実は、外資系企業は、それにチャレンジできるベストの環境なのかもしれません。
とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます。