グルーポンはじめ、共同購入型クーポンが新市場として大きく成長しています。
プロモーションに際して、ある一定以上の顧客数が確保できることは、企業にとって大きな魅力。
圧倒的な低価格で商品やサービスが提供されることは、顧客にとっても大きな魅力。
共同購入型クーポンには、確かに成長する大きな理由があります。
ところで、共同購入型クーポンでは、どのような顧客が集まるのでしょうか?
大木さんが「僕がグルーポン(および類似サービス)を使わないシンプルな理由」というエントリーで、次のように書かれています。
5,000円のコースを1,000円で食べた人は、次回5,000円支払って行くでしょうか?僕はここに疑問があります。
「行かないだろうな」
また高木さんも、「グルーポンとソーシャルスキル。」で、次のように書いています。
最近ちょっとショックだったのは、「このお店いいなー、口コミで応援したいな。」と思っていたお店が、クーポンを何千枚も売っていたこと。(笑)
しかも、クーポンを使える曜日や時間帯などを制限していないらしく、予約でバッタバタになっていると聞いて、「あらら、もう常連さん、わざわざ予約しては来てくれなくなるね。」と思ったものです。いいのかなぁ。
ここに答えの糸口があるように思います。
2年余り前に、「戦略プロフェッショナルの心得(4):値引き販売という麻薬」で書きましたが、値引きを頻繁にする店には、値引きする時点では沢山の客が集まり、売上が伸びます。
しかしそれはその時だけ。通常価格では客が来なくなります。定価で買う客は離れていくためです。
通常価格では売れなくなり、利益はどんどん削られます。
つまり特売や値引きをすることで、本来は適切な価格で購入していた消費者の買い控えを生んでしまうのです。
値引きは麻薬のようなもの。
このような状態で利益を出すためには、単価を下げざるを得ず、商品やサービスの品質を下げざるを得なくなります。
そこで、共同購入型クーポンですが、大幅値引きを求めて集まる顧客は、通常価格では購入しない顧客である可能性が極めて高いように思います。
一方で、共同購入型クーポンならではの価値もあると思います。例えば、
・何はともあれ、目玉商品をアピールして、リアル店舗に来て欲しい。
・集客力が弱いので、大量集客をしたい
・一定の固定費がかかっているので、稼働率を向上させることで、収益向上を図りたい
・サンプル商品をお試しで提供し、市場調査をしたい
共同購入型クーポンは、TwitterやFacebookのようなソーシャルウェアを活用して、クチコミで一緒に共同購入する人を拡げていくことができます。
単に低価格を訴求して顧客を集めるのではなく、共同購入型クーポンならではの価値と仕組みを活かして、狙った顧客を集客し、ビジネスに繋げていく仕組みを考えていく必要がありそうです。
お得感を出す、ということと、ただ割り引く、は全然違うものですよね。
まったくおっしゃる通りですね。
WalMartや100円ショップのアプローチ(利益を確保して安く提供する仕組みを作る)か、単に値引く(利益を削る、割り込む)かの違いですね。
後者は、結局品質を下げざるを得ず、最後には顧客に迷惑をかけることが多いような気がします。