2012/4/11の日本経済新聞の記事「ニッポンの企業力 第5部国依存の先へ 2000人対1人の戦い」で、日本企業の国際規格・国際標準への取り組みについて書かれています。
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….国際標準を巡る交渉経験が豊富な九州大大学院教授の合田忠弘(64)は「国際標準は早い者勝ち。議論の主導権を握り、標準を制するものが市場を制する」と話す。
だが、多くの日本企業はなお危機感に乏しいのが実情だ。経済産業省の調査によると、日本企業が抱える自社の技術を国際標準にするための専門要員は、1社あたり平均で1人未満。大企業でも担当者はわずか2~3人程度にすぎない。
韓国サムスン電子は標準化部門に約150人を配置。ドイツのシーメンスは全社で約2000人が標準化に携わっていた。….産業技術総合研究所理事長の野間口有(71)は「日本企業は国際標準化と経営戦略を結びつける発想が弱く、技術さえ優れていればビジネスで勝てるとの過信がある」と指摘する。
…..官民の力を糾合しても民の実力がついてこなければグローバル競争では勝てない。
—(以上、引用)—
標準化に携わる人員数、圧倒的な差です。
解決の糸口はあるのでしょうか?
記事では、ある会社の事例を紹介しています。
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危機感をバネにみずから国際機関の懐に飛び込み、標準を勝ち取った企業もある。産業用ロボットの制御スイッチ大手、IDECはその一社だ。
常務執行役員の藤田俊弘(57)は「世界で競うには自ら規格をつくる発想が必要だ」と話す。従業員2千人弱の企業だが、国際標準の社内チームをつくった。欧州の国際電気標準会議(IEC)本部を頻繁に訪問、欧米のメンバーと粘り強く折衝を続けた。こうした取り組みが奏功し、2006年には自社技術が国際規格として認定を受けた。
….今では制御スイッチで約9割の世界シェアを握る。
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記事では、他にも有名な事例を紹介しています。
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正方形の中にモザイク状の白黒模様が描かれた2次元バーコード「QRコード」も、日本発の成功例だ。00年に国際標準化機構(ISO)が国際規格に認定。ポスターや雑誌に印刷されたQRコードを携帯電話のカメラで読み取る姿は日本ではすっかり日常となった。航空券の電子化でも国際標準の一つに採用された。
QRコードを開発したデンソーウェーブ(愛知県阿久比町)は同コードの読み取り機で国内トップシェアを確立している。海外でもコードが普及すれば読み取り機の市場は広がる。中国もQRコードを国家規格に採用しており、13億人市場で「勝ち組」を狙う。
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記事にも書かれていますように、自ら国際標準を取りにいく覚悟と戦略が必要なのでしょう。
企業のビジネスをグローバル化していくにあたって、国際標準にいかに取り組むかは、大きな課題であると言えそうです。
引用が主体のエントリーになってしまいましたが、大変参考になった記事ですので、今後の自分の勉強のためにも書かせていただきました。