今回の豪雪で、普段は大雪が降らない地域は大変な思いをされています。
一方で、今回の大雪被害が比較的少なかった新潟県が、山梨県の支援を行うことが大きな話題になっています。
世界最強の除雪機甲師団の1つ? 新潟県内部隊(官民混成)+北陸が山梨県に即参上までの経過
(尚、リンク先の冒頭で「(機甲師団は大げさな表現で、実際にはありません。除雪隊あたりが妥当ではないかと。) 」と付記されています)
今回のことで、田中角栄の一生を描いた津本陽著「異形の将軍」のこんな一節を思い出しました。
—(以下、上巻 p.262から引用)—
豪雪の季節には、重病人は家族、親戚が総出でソリにのせて曳いてゆく。ソリも動かせない吹雪のときには、医師の手当てもうけられないまま息をひきとる病人が、めずらしくなかった。
…
東京の官僚は、数十億円の経費でかけ橋を架けるのであれば、利用者は最低数十万人が必要であるという。
角栄はそのような官僚の考えを打ちくだいた。
「トンネルの利用者が百五十人しかいなくても、その人たちに欠かせないものならば、億単位の金をつぎこみ、トンネルをつけるのが政治だ。橋をかけるのも同様だ。
都会ではトンネル一本、橋一本が地域住民の生活を左右するようなことはない。橋一本の重みが、東京と新潟とではまったく違うということを、君たちは考えたことがあるか」
—(以上、引用)—
引用の冒頭で描いた場面は、これまで大雪の恐ろしさを体験したことがない我々が身近に感じたことであり、山梨県を中心に孤立されている方々がまさに体験していることでもあります。
他人の痛みを自分の痛みと感じる。新潟県の対応は、まさに「共感の行動」ですね。
ここ数年間、大地震、大雨、台風、大雪と日本は災害が続いています。財政が厳しい中で過剰な公共投資は控えていただきたいですが、限られた予算で効果が最大化できる対策を望みたいですね。