テレビの視聴時間が、急激に減少中?


InternetWatchに、総務省情報通信政策研究所が4/15に発表した「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の速報結果が掲載されています。

40代・50代がテレビ離れ開始か? 10代・20代はSNS時間倍増、メールを逆転

この調査によると、2012年から2013年にかけて、テレビの視聴時間は次のように変わっています。

(n=3000)
全体 184.7分 →168.3分 (-16.4分/- 9%
10代 102.9分 →102.5分 (- 0.4分/- 0%)
20代 121.2分 →127.2分 (+ 6.0分/+ 5%)
30代 158.9分 →157.6分 (– 1.3分/- 1%)
40代 187.4分 →143.4分 (-44.0分/-23%)
50代 219.2分 →176.7分 (-43.5分/-19%)
60代 263.0分 →257.0分 (– 6.0分/- 2%)

一方で、ネット利用時間は次のように変わっています。

全体  71.6分 → 77.9分 (+ 6.3分/+ 9%)
10代 108.9分 → 99.1分 (– 9.8分/- 9%)
20代 112.5分 →136.7分 (+24.2分/+22%)
30代  76.5分 → 87.8分 (+11.3分/+15%)
40代  74.6分 → 70.0分 (– 4.6分/- 6%)
50代  51.3分 → 61.8分 (+10.5分/+20%)
60代  33.9分 → 36.7分 (+ 2.8分/+ 8%)

20代では既にネット利用時間がテレビ視聴時間を上回っています。

1年間で全体で-9%、特定世代で-20%の減少は、極めて大きな変動です。

また、平成25年6月の「青少年のインターネット利用と依存傾向に関する調査」(n=2609)によると、「スマートフォンを持ったことによる時間の変化」で短くなった時間では、スマホ所有者の29.2%が「テレビを見る時間」をあげていて、これは減った項目の第一位になっています。

 

私は「顧客中心主義」のテーマで講演する際に、テレビの使い方を事例にしてお話しすることがよくあります。

その際に、会場におられる参加者に「この10年間でテレビを見る時間が増えた方は挙手ください」と聞くと、挙手する方はほぼゼロ。多くても1名いるかどうか。一方で、「減った方は?」と聞くと挙手する方はほぼ8割。

これは、これまで20回以上の講演で全て同じ傾向でした。

記事では、この調査は2012年と2013年の2回しか実施していないため、「忙しい」などの要因でテレビ視聴時間が減った可能性も否定できない、としています。しかしながら、これら調査結果は、私の実感と整合性があります。

 

既に前々から言われてきたことではありますが、メディアとしてのテレビの役割は、現在進行形で急速に変わっています。

マーケティングコミュニケーションで成果を出さなければならないあらゆる企業にとって、メディア活用方法の見直しが急務になってくると思います。