レクサスは日本で数少ない高級車ブランド。
しかし残念ながら世界全体で見ると、現時点でメルセデス、アウディ、BMWといったライバルの後塵を拝しています。
2014/7/30の日本経済新聞に掲載された記事『レクサス「脱トヨタ」加速 初の小型SUV、ブランド改革 高級車 独3強に挑む』で、日本国内のレクサス店でこのように言った消費者の言葉が紹介されています。
—(以下、引用)—
「技術、品質、顧客サービス。どれもレクサスが1番だと思う。でも我が家はベンツを買うことにしたよ」….
「ドイツ車を買う人はステータスと遊びの要素を車に求める傾向にある」(同)。これに対してトヨタ車は安心して乗れるが、どこか突き抜けない。「それが強みであり弱点でもあるトヨタブランドのイメージがレクサスにつきまとう」
—(以上、引用)—
これまで私たち日本人は「技術、品質、顧客サービス」を徹底的に磨いてきました。
しかしこの例のように、現代は「技術、品質、顧客サービス」の先にある何かが、ブランドで求められています。
具体的に言うと、「持っているだけで嬉しい」「ワクワクする」といった感覚です。
私はライフワークの写真で、カメラやレンズを購入してきました。
日本のカメラやレンズはこの「持っているだけで嬉しい」という感覚を比較的持っているように思います。
しかしながら、ドイツブランドのライカやツァイスレンズ等と比較すると、個人的にはドイツメーカーのブランドの方が勝っているように感じています。
実態は日本メーカーがライセンス生産しているにも関わらず、です。たとえばソニーの高級レンズはツァイスですし、パナソニックの高級レンズはライカです。
同じことは他業界でも起こっています。たとえばファッション業界で起こっていることは、二ヶ月前に当ブログで書いたエントリー「他社ブランドに依存する怖さと、自分自身のブランディングの大切さ:三陽商会・英バーバリー ライセンス契約終了の事例から」で書きました。
では日本企業もお金をかけてブランド広告に投資すればよいのか、というと、ちょっと違うように思います。
現在ブランドに求められているのは、「価値観」や「文化」。
それは人間に対する深い洞察から生まれてくるものです。
「技術、品質、顧客サービス」を生み出す「勤勉さ」とは別の、「思想」が求められています。そしてそれは、日々の地道な企業行動で積み重ねられるものです。
日本でもかつてのソニー、あるいは最近のマツダのように「持つだけでワクワク感」を創り出そうとしている企業もあります。
どうも、経営資源の多寡の問題ではなさそうです。
それは何なのか?
どのようにすればいいのか?
日本企業が抱える課題への一つの回答が、ここにありそうです。
色々と考えてみたいと思っています。
レクサスを買わずにメルセデスを買ってますが、技術、品質、顧客サービスを比較対象としたことはありません。
比較したのは、外見、インテリア、すわりごこちですね。乗りごこちは、実車がないと分からないので比較していません。
レクサスを含むトヨタ車には全然わくわく感を感じません。最低でもフロントをどうにかして欲しい。思ったよりも保守的なんだなあと思いますが、小手先で外見を変にいじっても好感度は上がらないと思うのですけどね。
最近のメルセデスの外見デザインもあまり好きではありませんが、唯一E-Classだけが例外のデザインで良いと思っています。車は感性だなあと思っています。
Ifreetaさん、コメントありがとうございました。私は車は運転しないのですが、以前、メルセデスの試乗をしたことがあるので、おっしゃっている「感性」の差というのはよくわかります。