経営陣にSOAを提案する際の、10のポイント


私はソフトウェア事業のマーケティングに携わっていますが、現在、この市場ではSOA (サービス指向アーキテキチャー)が本格的活用の段階に入ってきました。

今後、大規模ITプロジェクトの多くでSOAベースでの開発が検討されていますが、SOAプロジェクトを成功させるためには、ビジネス課題を把握した上で、ITでどのように解決するのかを、しっかりと結び付けて考える必要があります。

従って、現場でSOAプロジェクトを推進する人達は経営陣からの全面的な支援を取り付ける必要がありますが、このためにはどのようにすればよいのでしょうか?

IBMでSOAとWebSphere戦略を担当しているサンディ・カーターが、「SOA戦略の重要性と価値」を経営陣にプレゼンテーションする際の10のヒントをメディアに寄稿していますので、ご紹介します。(一部意訳しています)

—(以下、引用)–

1.SOAとは言わないこと
組織の目標を反映させたビジネス用語を使って価値と利点を説明しましょう。

2.バージョンではなくて、ビジョン
この戦略によって直近と長期的な結果がどうなるのか、要点を述べましょう。特定のバージョンについて議論するのは意味がありません。

3.企業全体を通したコンセンサスを構築しよう
協力的な部門で小規模なテストプロジェクトを実施し、価値を証明しましょう。さらに、SOAを全社展開する段階になったら、その組織のリーダーにも参加してもらいましょう。

4.大きな世界を持ちつつ、小さく始めること
そのような小規模のテストプロジェクトを選ぶ際には、ビジネス・プロセスを統合し自動化することで、組織全体に広くポジティブな影響を持つものを選びましょう。

5.3文字言葉は禁止
仲間うちでよく分かっている技術専門用語に熱中するのは簡単ですが、CEOに新しい戦略の企画を説得する際には、CEOにとってはその種の3文字言葉はハナモゲラ語(pig Latin)の類と大して変わらないのだ、ということを認識しましょう。

6.キモとなる要点を伝えること
会議の本当の目的からそれるような、複雑な書類やチャートには頼らないようにしましょう。

7.信念と予測
SOAを進める各段階の目標を明確に設定しましょう。公に、組織のためのSOAプロジェクトの現実的な目標(xx%の生産性向上とかコスト削減等)を示し、かつ達成することで、プロジェクトと全体の戦略に対する自信を高めることができます。

8.第三者による検証結果を参照すること
SOAの成長や企業での採用状況に関する調査会社のデータ、及び同じ業界や競合他社における関連するSOA成功事例を引用しましょう。

9.締めの言葉
結局SOAでどうなるのか? 反対論を和らげCEOの承認を得るために、特定部門でのSOAによる影響度について、具体的に「ビフォー・アフター」を比較してみせましょう。

10.ターゲットを絞って定量化せよ
プロジェクトの全ての段階で、目標を設定し、結果をトラッキングし、手法を改善しましょう。あなたの会社の「SOAの旅」の成功を立証するために、結果を関連する部門と定期的に共有する仕組みを作りましょう。

 

SOAを企業の経営陣に説明する機会はなかなか持てません。あなたの説明資料を最大限活用するためには、ビジネス上の価値と利点を描き、結論としてどのような結果になるのかを繰り返して伝え、SOAの企業全体での価値を明らかにしましょう。

—(以上、引用)–

ここで挙げられていることは、通常の経営レベルの課題を解決するためのITプロジェクトでは本来行われていなければならないことである訳で、SOAだからと言って、これらの重要な点は大きく変わっていないということですね。

経営陣にSOAを提案する際の、10のポイント」への2件のフィードバック

  1. 「志向」→「指向」ですね。
    そのリストは「SOA」を他の言葉に置き換えることができそうです。技術は目的ではなく手段だということを間違えないことが肝心ですね。

  2. mohnoさん、ありがとうございます。
    おっしゃる通り、目的はビジネス課題の解決ですので、この点は本来ITに求められていることと本質は何も変わらないということですね。
    ご指摘の点、修正しました。

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